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2014年10−12月期、アンダーウォーターの住宅が前期比でじわり上昇

by • March 17, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2320

Underwater Homes Increase In Q4 Compared With Previous Quarter.

大寒波と積雪に見舞われて冬が過ぎ、ニューヨークでは最高気温が摂氏12度近くまで上昇してきました。ついにストリート脇にたまっていた雪と氷の塊も嘘のように消え、歩行も楽チンです。

ブライアント・パークの噴水に氷の自然彫刻も、ご覧の通りすっかり溶けていきました。
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(出所:上 Twitter 下 Y.N/Facebook)

春の到来とともに、マーケットが期待を寄せるのが住宅市場の改善です。重要なカギとして、アンダーウォーター動向が挙げられます。

コアロジックによると2014年10−12月期、住宅ローンを抱える物件のうちアンダーウォーター(住宅の資産価値がローン残高を下回る状態)に直面する住宅は540万件でした。全体で10.8%に相当し、2014年7−9月期の10.3%から上昇しています。ただし住宅価格の上昇を背景に、前年同期の13.3%から大幅改善。2009−11年の最悪期には25%だったことを踏まえると、目覚ましい改善トレンドをたどります。

アンダーウォーターの物件のうち、320万件のオーナーがホーム・エクィティ・ローンなしで第一抵当権を有しており、平均ローン残高は22万8000ドル(約2760万円)でした。未返済残高は、住宅正味価値を平均5万7000ドル(約690万円)下回ります。

住宅ローンを抱える住宅4990万件のうち20%にあたる約1000万件は、住宅資産価値が住宅ローン残高を20%上回る程度の「アンダーエクィティー(under-equitied)」でした。2014年7−9月期の19%から小幅に上昇しています。住宅資産価値が住宅ローン残高を5%あるいはそれ以下しか上回っていない物件も140万件、2.8%に相当し前期の2.6%を超えていました。ギリギリでアンダーウォーターに陥っていない住宅保有者は売却する上で損失を被るだけでなく、新たな住宅ローン審査にパスできないリスクが高い。アンダーウォーターも含め、中古住宅市場での在庫不足の一因が、ここに潜んでいるというわけです。

コアロジックのアナンド・ナラサンビ最高経営責任者(CEO)は、結果を受けて「ネガティブ・エクィティは引き続き米国の住宅市場および経済全般に深刻な影を投げかける」と振り返ります。中古住宅の物件不足を招くだけでなく、ホーム・エクィティ・ローンすなわち住宅ローン返済分を除く住宅の正味価値を元にした借入ができず、消費減速につながりかねません。

住宅価格が上昇すれば、アンダーウォーターもアンダーエクィティが住宅に占めるシェアは低下します。コアロジックのフランク・ノザスト主席エコノミストいわく、2014年10−12月期にアンダーウォーターおよびアンダーエクィティの住宅シェアが上昇した背景として「住宅価格が第4四半期に前期比0.7%下落していた」点を指摘。逆に言えば前年同期比では4.8%上昇していたため、1年前と比較すると改善していたわけです。ノザスト氏は2015年に住宅価格が「5%上昇する」と見込んでおり、2015年もアンダーウォーターおよびアンダーエクィティは減少トレンドをたどると予想していました。

(カバー写真:Dayair)

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