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フェデックス、ホリデー商戦を挟む決算は大幅増益も見通しを下方修正

by • March 18, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2162

Fedex Delivers On Earnings, Outlook Weighs.

ホリデー商戦を挟んだフェデックスの決算は、利益が市場予想を大幅に上回る快挙を成し遂げました。一方で、売上高がアナリスト予想平均以下に。まちまちの結果となっています。

12−2月(第3四半期)決算で、純利益は前年同期比53%増の5億8000万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は2.01ドルと、市場予想の1.88ドルを上回る。原油安の恩恵から、燃料費用が30%減の8億1000万ドルドルにとどまっていた。売上高は4%増の117億2000万ドルと、市場予想の118億5000万ドルに届かず。売上の内訳では、エクスプレス部門が0.1%減の66億6000万ドルだった。為替差損や燃料サーチャージ縮小が、配送量の増加を打ち消したという。米国内の配送量は4%増、うち海外向けが5%増だった。海外での配送量は“エコノミー”が4%増だった半面、“プライオリティ”が横ばいだった。陸運部門の売上高は12%増の33億9000万ドル。1日当たりの配送量は7%増となり、1個当たりの売上高は3%増だった。航空部門は6%増の14億3000万ドル。1日当たり出荷数は3%増、1日当たり売上高は値上げに伴い3%増となる。

2015年度(2015年5月終了)の1株当たり利益は8.80—8.95ドルを見込み、従来の8.50−9.00ドルから下方修正。市場予想の8.97ドルも下回った。決算を受け、NY午前10時20分時点で株価は一時2.6%下落した。

——以上、ドル高の余波が売上を押し下げていたことが分かっています。ホリデー商戦が過去最高を記録したものの、12月に減速しており売上の伸びを抑えました。

ライバルのUPSのホリデー商戦を含む決算も、おさらいしておきましょう。

UPSが2月3日に発表 した10−12月(第4四半期)決算では、純利益が前年同期比61.3%減の4億 5300万ドルだった。特殊項目を除く1株当たり利益は前年比横ばいの1.25ドルとなり、1月の暫定版決算を受けたアナリスト予想平均と一致。1 月以前は、1.47ドルを見込 んでいた。売上高は159 億ドルと、市場予想の158億ドルを上回った。

米国の売上高は7.5%増の100億ドル。1日当たりの配送量は6.6%増となり、陸運は11%増、航空貨物は 7.1%増だった。調整済み営業利益は5.3%減の1個当たりの売上高は0.8%減で、燃料サーチャージ縮小が重しとなっている。海外の売上高は為替変動を除くベースで 5.9%増の34億ドルだった。営業利益はドル高の影響で4000万ドル、また再編費用で3000万ドル押し下げられ、前年比ほぼ横ばいの5億3600万ドルだった。1日当たりの配達数は5.2%増となり、欧州が 8.5%増とけん引しアジアの減少を抑えた。為替調整ベース での1個当たりの売上高は、 0.8%増となる。

ホリデー商戦を受け、12月の配達小包数は全世界で5億 7200万個に及んだ。サイバー・マンデーおよびピーク時は、前年比12%増に達したと いう。臨時雇用は10万人となり、大寒波とオンライン関連の注文急増を背景に2013年に配達遅延が生じため、前年の 5万5000人からほぼ倍増させた。結果、営業費用は 16.2%増の151億ドル だった。

2015年の調整済み1株当たり利益は、前年比6.0— 12.0%増の5.05— 5.30ドルを見込む。1月時点は、「長期目標“9−13% 増”を小幅に下回る」との見方を示していた。アナリスト予想 平均の5.0—6.0ドルであり、レンジ上限は市場予想に届いていない。デビッド・アブ ニー最高経営責任者(CEO) は、決算資料にて「利益率を改善させるため、営業効率性と価格調整に努める」との見解をあらためて強調した。

——配送大手は、ドル高差損に対抗し値上げに踏み切る見通しです。ネット・ショッピングの普及が業績下支えとして期待される半面、世界景気の減速もあり海外部門の押し下げ圧力を値上げでどこまでカバーできるでしょうか。

(カバー写真:Sarah Gilbert/Flickr)

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