Housing Starts Rebounds Modestly, Suggests Underlying Trend Lacks Vigor.
米3月住宅着工件数は年率92.6万件となり、市場予想の104万件にかすりもしなかった。大寒波と積雪に見舞われた2月からの反動増は、小幅にとどまる。前月の90.8万件(89.7万件から上方修正)を2.0%上回ったとはいえ、約1年ぶりの高水準を達成した2014年12月の108.1万件でピークアウトした可能性が出てきた。
内訳をみると、一戸建てが前月比4.4%増の61.8万件。春の到来を受け、3ヵ月ぶりに増加に転じた。複合住宅は2.5%減の30.8万件と、2ヵ月連続で減少している。前年比での住宅着工件数は2.5%減と、前月の2.2%減に続き減少した。一戸建てが2.7%減と前月の0.5%増から転じたほか、複合住宅も2.2%減と、2ヵ月連続で減少した。
4大地域別では、2地域で増加。2月はすべて減少していた。特に冬将軍の撤退を背景に北東部が114.9%増の10.1万件と、前月の56.9%減を上回り大きく3ヵ月ぶりに増加した。中西部も31.3%増の12.6件と、長い冬を乗り越え4ヵ月ぶりに増加している。逆に住宅市場規模の大きい西部は14.7%減の20.1万件、並びに南部も3.5%減の49.8万件と2ヵ月連続で減少した。
住宅着工件数、2006年までの過去20年平均150万件は遠い。
米3月建設許可件数は103.9万件となり、市場予想の108.5万件を大きく下回った。前月の110.2万件(109.2万件から上方修正)を5.7%上回っている。前月の増加分(4.0%増)を打ち消した。
内訳をみると、前月に急増した複合住宅が前月比15.9%減の40.3万件。前月に20.1%増も急伸した分、反動減を示した。一戸建ては2.1%増の63.6万件で、3ヵ月ぶりに増加に転じた。建設許可件数の前年比は2.9%増と、前月に続き4ヵ月続けてプラス。一戸建てが4.1%増だったほか、複合住宅も1.0%増だった。
米3月建設中件数は前月比0.6%増の84.2万件となった。増加トレンドを維持するなか、件数ベースでは少なくとも2009年以来の高水準を達成。一戸建てが0.3%減の36.3万件と2ヵ月連続で減少した一方、賃貸需要を背景に複合住宅が1.3%増の47.9万件と7ヵ月連続で増えた。
大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、結果を受けて「複合住宅の落ち込み2月からの反発を抑えた上に、一戸建ての増加も小幅にとどまる」と指摘。大寒波や積雪といった悪影響を免れていた南部や西部で2ヵ月連続で減少した点にも着目し、「2月の結果は天候要因で弱含んだと判断しづらく住宅市場のトレンドは勢いに欠ける」と結ぶ。
——住宅着工件数・一戸建てのうち注文物件ではない75%が販売向けであり、3月の結果では46.4万件に相当します。2月の新築住宅販売件数を踏まえれば、在庫積み増しリスクが払拭される公算。中古住宅の物件がアンダーウォーター物件の減少一服もあって在庫薄となっており、新築住宅を中心に価格上昇の芽が伸びて来たといえるでしょう。
MBA住宅ローン申請件数指数は3月末から4月初めにかけ伸びを加速しており、4月に住宅需要の回復が期待されます。半面、3月の住宅着工件数を踏まえると国内総生産(GDP)に対する住宅投資の寄与度が低下する懸念も。1−3月期GDPがJPモルガンの予想に沿い1%割れとなるリスクまで浮上しつつあります。
(カバー写真:AP)
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