Philly Fed Manufacturing Index Bounces Back In March, Though Details Paints A Softer Picture.
米4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー)は7.5となり、市場予想の6.0を上回った。今年に入って一番強い数字となる。ただし西海岸の港湾労働者ストライキ、悪天候、原油安、ドル高を背景に13ヵ月ぶりの低水準だった前月の5.0を上回ったものの、小幅な反発にとどまった。
主要な項目の内訳をみると、そろって前月以下にとどまった。
・新規受注 0.7<前月は3.9、2013年5月以来の分岐点割れに接近
・出荷 マイナス1.8>前月はマイナス7.8、2ヵ月連続で分岐点割れ
・在庫 1.5>前月はマイナス2.3、分岐点を回復
・雇用 11.5>前月は3.5、5ヵ月ぶりの高水準
・週当たり平均労働時間 3.4>前月はマイナス11.4、2013年以来で最大のマイナスから回復し4ヵ月ぶりに分岐点へ戻す
・入荷時間 0.5>前月はマイナス13.4、西海岸の港湾労働者スト収束を背景に5ヵ月ぶりに分岐点回復
・受注残 マイナス7.1>前月はマイナス13.8、2ヵ月連続で分岐点割れ
・仕入れ価格 マイナス7.5<前月はマイナス3.0、2ヵ月連続で分岐点割れ
・販売価格 マイナス4.1>前月はマイナス6.4、4ヵ月連続で分岐点割れ
6ヵ月先見通し指数は35.5と、前月の32.0および6ヵ月平均の26.4を上回った。項目別では出荷、雇用、平均労働時間、受注残が上向き、ヘッドラインに寄与。一方で新規受注、在庫、設備投資、入荷時間、仕入れ価格が落ち込みをみせた。
現況(オレンジ)、見通し(グレー)そろって小幅な上昇に。
(出所:Federal Reserve Bank Of Philadelphia)
今回の特別質問項目は、ドル高の逆風を受ける輸出動向について。輸出の売上高と輸入の費用をみると、フィラデルフィア連銀が統括する地域で輸出に占める売上の割合はゼロ%と0−3%が最も多くそれぞれ約25%だった。次いで25%以上が約15%となっている。注目のドル高インパクトをめぐる質問では、悪影響を受けるとの回答が優勢となった。
赤の棒グラフがドル高に悪影響、グレーが影響なし、緑がポジティブ。
(出所:Federal Reserve Bank Of Philadelphia)
バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受けて「ISM製造業景況指数に換算した場合は50.9と3月の47.4から分岐点を回復する」と評価した。もっとも、「新規受注が弱含み出荷も分岐点割れを維持しており全体的なトレンドは芳しくない」と指摘。製造業活動は1−3月の減速から脱却できず、「軟調な4−6月期入りを迎えた」とまとめた。
——米4月フィリーは4ヵ月ぶりに分岐点割れを迎えた米4月NY連銀製造業景況指数と逆に改善を示しました。悪天候や西海岸の港湾労働者ストライキといった一時的要因がはく落し、回復の兆しをみせています。そうは言いながらドル高や原油安の影響が製造業センチメントを引き続き冷やしており、春の芽吹きは遠いようです。
(カバー写真:Monica McGivern/Flickr)
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