Earnings Roundup : Google, Amazon, Microsoft, Starbucks.
23日引け後は、ハイテク関連で重量級の決算がズラリと並びました。グーグルが市場予想に届かなかった程度で、アマゾン、マイクロソフト、その他ナスダック銘柄であるスターバックスまでそろって好決算を計上しています。ナスダックが終値ベースでITバブル崩壊直前に達成した2000年3月の5048.62pを抜け5054.06pまで最高値更新したのは、力強い決算内容を先取りしたかのようです。
▽グーグル
検索エンジン大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比4.1%増の3億5900万ドルだった。株式報酬など特殊項目を除く調整済み1株当たり利益は6.57ドルで、市場予想の6.60ドルより弱い。収入は11.9%増の172億5800万ドルとなり、市場予想の175億ドルに届かなかった。ドル高が響いており、為替差損を除いた場合は17%増だったという。トラフィック獲得費用(TAC)が3.5%増の33億4500万ドルだったため、TACを除く収入は139億1300万ドルとこちらも市場予想の140億ドルに届かず。設備投資は29億3000万ドルで、市場予想の24億9000万ドルを大きく上回った。
収入は前年同期比11.9%増の172億5800万ドルながら、2014年10−12月期からは5%減少した。詳細は、以下の通り。
>広告収入:前年同期比11%減の155億800万ドル、2014年10−12月期からは5%減
・グーグル本体:前年同期比14%増の119億3200万ドル、2014年10−12月期からは4%減
・グーグルの提携先サイト:前年同期比1%増の35億7600万ドル、2014年10−12月期からは8%減
>その他の収入:前年同期比23%増の17億5000万ドル、2014年10−12月期からは2%減
クリック単価は7%減となり、2014年10−12月期の3%減から下げ幅を拡大。市場予想の1.9%減より弱い結果となる。ペイドクリック数は13%減となり、2014年10−12月期の14%減から小幅に改善した。
なお同社は22日、携帯電話サービス“プロジェクト・ファイ”を発表した。通話、テキスト(文字メール)で月額20ドル、データ利用額は1ギガバイトごとに10ドル課金するシステムを採用し、Wi-Fiネットワークも使用可能となる。“プロジェクト・ファイ”の通信インフラには、スプリントとTモバイルのネットワークを利用することで合意済み。グーグルのスマートフォン“ネクサス 6”の機種のみでサービスを開始し、電波状況によって切り替わるという。時間外取引で、株価は一時1.9%上昇した。
”プロジェクト・ファイ”、通信業界の革命児となるか?
(出所:Engadget)
▽アマゾン
オンライン小売大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純損益が5700万ドルだった。前年同期比の1億800万ドルの黒字から、赤字に転換している。希薄後の1株当たり損失は0.12ドルと、市場予想と一致。営業費用が14.6%増の224億6200万ドルとなり、減益につながっている。収入は15.1%増の227億1700万ドルで、市場予想の223億9000万ドルを上回った。為替差損を13億ドル計上しており、ドル高の影響を除けば22%増へ伸びを拡大させるという。
収入動向をみると、製品売上高は8.8%増の170億8400万ドル、サービス収入は39.6%増の56億3300万ドルだった。地域別では北米が24%増の134億600万ドル、海外は1.8%減の77億4500万ドル。2006年にサービスを開始して以来初めて決算に登場したアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は、49.1%増の15億6600万ドルとなる。1−3月期の増収ペースが続けば、約63億ドルの収入を達成する見通し。 アナリストの間で、同部門の収入は60億〜90億ドルと試算されている。
4−6月期につき売上高は206億〜228億ドルを見込み、レンジ上限はアナリスト予想平均の222億4000万ドルを超えた。時間外取引で、株価は一時3%近くの大幅高を迎えた。
▽マイクロソフト
ソフトウェア大手が発表した1−3月(第3四半期)決算では、純利益が前年同期比11.9%減の49億8500万ドルだった。再編費用などを除く調整済み1株当たり利益は0.53ドルとなり、市場予想の0.51ドルより強い。売上高は6.5%増の217億2900万ドルと、市場予想の211億ドルを上回った。2014年10月に買収で合意したノキアのスマートフォン”ルミア”を取り込んだため、売上増につながっている。ただドル高の余波を受けており、為替変動を除いた場合の伸びは9%増だった。
収入の部門別は、以下の通り。
>デバイス・消費者向けライセンシング:24.4%減の34億7600万ドル
>コンピューティング・ゲーム用ハードウェア:3.8%減の18億ドル
>携帯電話・ハードウェア:13億9700万ドル(ノキアの買収後に組み入れられた部門で前年同期の実績なし) 、ルミアの販売台数は860万台
>消費者向けデバイス・その他:25%増の22億8000万ドル
>商業ライセンシング:2.9%減の100億3600万ドル
>商業・その他:45.1%増の27億6000万ドル
製品別動向は、以下の通り。
>クラウドサービス(オフィス 365、Azure、ダイナミクス CRMなど)収入:106%増
>個人向けクラウドサービス”オフィス 365”の利用者数:前期比35%増の1240万人
>サーバー製品・サービス収入:12%増
>検索広告収入:21%増、検索エンジン”Bing”のシェアは20.1%と前年同期の19.6%から上昇
>サーフェスの売上高:前年同期比44%増の7億1300万ドル、”サーフェス Pro 3”がけん引
>ウィドウズ OEM Proの収入:前年同期比19%減
>ウィンドウズ OEC non-Proの収入:前年同期比26%減
屋台骨となる商業部門の収入は、前年同期比5%増の127億6900万ドル。伸び自体はアナリストの期待に沿う数字ではなかったものの、クラウドサービスの通期収入が63億ドルとなる見通しで株価は買いで反応。業績が市場予想を上回ったことも重なり、時間外取引では一時3%超も急伸した。
▽スターバックス
コーヒーチェーン大手が発表した1−3月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比15.9%増の4億9490万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は0.33ドルとなり、市場予想と一致。売上高は17.8%増の45億6350万ドルで、市場予想の45億3000万ドルを上回っただけでなく過去最高を更新している。
世界全体の既存店売上高は前年同期比7%増となり、市場予想の5%増を上回った。来客数は3%増となる。地域別では以下の通りで、%は前年同期比。
>米国大陸:7%増、来客数 3%増
>中国/アジア太平洋:12%増、来客数 10%増
>欧州/中東/アフリカ:2%増、来客数 2%増
地域別での売上動向は、以下の通りで%は前年同期比。
>米国大陸:11%増の31億2800万ドル
>中国/アジア太平洋:124%増の5億9520万ドル
>欧州/中東/アフリカ:10%減の2920万ドル
中国/アジア太平洋の売上は、昇竜のごとく。
(出所:Starbucksのデータを元に作成)
スコット・モー最高財務責任者(CFO)は、結果を受け「米国では来店当たりの平均支出額が増加した」と説明。特に「フラット・ホワイト・エスプレッソといった新商品や茶葉専門店”ティーバナ”が寄与した」と振り返っている。米国での食品売上高は16%増で、特に朝食用サンドウィッチは35%増も加速していた。
2015年度(2015年9月末終了)の見通しは、据え置き。売上高は16〜18%増、既存店売上高は5%増、設備投資は14億ドルと見込む。4−6月期の1株当たり利益は、0.40〜0.41ドルと予想した。スマートフォンで注文・支払いを円滑に実行するシステム”モバイル・オーダー・アンド・ペイ”については足元で西海岸を中心に600店舗で試験的に実施中のところ、年内に全米へ展開する計画を表明。決算内容を好感し、時間外取引で一時5%超も急騰した。
(カバー写真:Google)
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