P&G Profit Rises Percent as Home-Care Product Sales Improve

23日の決算ラウンドアップ②:P&G、ペプシコ、イーライリリー、ダンキン

by • April 23, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2876

Earnings Roundup : P&G, Pepsico, Eli Lily, Dunkin’ Donut.

23日に発表された決算を振り返りましょう。P&Gとペプシコはドル高に泣いた半面、イーライ・リリー、ダンキン・ドーナツは健闘しています。

▽P&G

日用品メーカー大手が発表した1−3月(第3四半期)決算では、純利益が前年同期比17.5%減の21億5300万ドルだった。調整済みコア1株当たり利益は0.92ドルで、市場予想と一致。売上高は7.7%減の181億4200万ドルで、市場予想の184億9000万ドルを下回った。ドル高の影響を除く場合は、1%増に転じる。値上げにより売上を2%押し上げた半面、数量ベースで2%減少していた。なお売上に占める海外の割合は、3分の2に及ぶ。

粗利益率は48.6%と、前年同期の48.9%から低下。ただし販促・一般管理費が低下したため、営業利益率は17.3%と前年同期の16.8%から上昇した。好決算を計上した競合キンバリー・クラークと、明暗を分ける結果に終わっている。

売上の部門別動向は、以下の通り。全ての部門で為替差損を計上。
pg
(出所:P&G)

2015年度(2015年6月末終了)の売上高は、従来の3〜4%減から5〜6%減へ下方修正した。見通しには、ドル高による6〜7%の押し下げを含む。コア1株当たり利益は2014年度の4.09ドルから0〜4%減となる見通し。株価は、一時1.5%安を迎えた。

なおP&Gは、美容・ヘアケア部門の一部売却を目指し他社と協議中とされている。アラン・ラフリー最高経営責任者(CEO)は2014年8月、成長促進のために販売が低迷するブランドを最大100種売却する方針を明らかにした。

▽ペプシコ

飲料メーカー大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比0.4%増の12億2100万ドルだった。4四半期ぶりの減益となる。特殊項目を除く1株当たり利益は0.83ドルで、市場予想の0.79ドルより強い。売上高は3.2%減の122億1700万ドルながら、市場予想の121億8000万ドルを上回った。ドル高に引きずられ減収を迎えており、買収費用と為替変動を除く場合は4.4%増に転じる。コカコーラと同じく、ドル高圧力を受けた格好だ。

売上の部門別動向は以下の通り。フリートレイ、クエーカーフーズの北米部門が支えた。アジア太平洋も、ドル高局面を迎えながら売上に寄与している。

売上高の総計 3%減、為替変動を除くと4%増、数量ベース 菓子が2%増、飲料が1%減
>フリートレイ・北米
売上 3%増、為替変動を除く売上 4%増、数量ベース 3%増
>クエーカー・フーズ・北米
売上 1%増、為替変動を除く売上 2%増、数量ベース 2%増
>南米・食品
売上 4%減、為替変動を除く売上 18%増、数量ベース 横ばい
>ペプシコ・米国
売上 横ばい、為替変動を除く売上 2%増、数量ベース 1%減
>欧州
売上 25%減、為替変動を除く売上 2%増、数量ベース 菓子が1%減、飲料が5%減
>アジア・中東・アフリカ
売上 2.5%増 為替変動を除く売上 5%増 数量ベース 菓子が2%増、飲料が1%減

2015年はドル高が重しとなり売上高を10%、1株当たり利益は11%押し下げられるリスクを表明。1株当たり利益については、2月時点の7%から下方修正した。株価は見通しを嫌気し、一時1.2%下落した。

▽イーライ・リリー

製薬大手が発表した1−3月(第1四半期)決算で、純利益は前年同期比0.8%減の5億2950万ドルだった。再編費用などを除く1株当たり利益は0.87ドルとし、市場予想の0.77ドルより強い。動物医薬品部門をノバルティスから買収した効果が現れ、増益につなげている。売上高は27.3%減の46億4470万ドルで、市場予想の46億2000万ドルを上回った。

売上部門別では、まちまち。動物医薬品が42%増の7億4980万ドルと大幅増を達成し、注意欠陥・多動性障害(ADHD)治療薬”ストラテラ”も13%増の1億7370万ドルと寄与している。一方で抗うつ剤”シンバルタ”が40%減の2億8700万ドル、中枢神経用薬の”ジプレキサ”も22%減の2億1950万ドルだった。

2015年の1株当たり利益は2.21〜2.31ドルとし、従来の2.40〜2.50ドルから下方修正した。もっとも、調整済み1株当たり利益は3.10〜3.20ドルで維持。株価は市場予想を上回る業績に反応し、一時0.6%高をみせた。

▽ダンキン・ドーナツ

ドーナツチェーン大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比11.7%増の2560万ドルだった。特殊項目を除く調整済み1株当たり利益は0.40ドルで、市場予想の0.36ドルより強い。売上高は8.1%増の1億8590万ドルとなり、市場予想の1億8000万ドルを上回った。既存店売上高は6.3%増となり、前年同期の4.3%増を超える好結果に。作業・準備時間の短縮に務めたほか、バレンタインにはハート形ドーナツを提供。新たにクロワッサン・ドーナツやタマゴ関連メニュー、アイス・エスプレッソを追加し業績改善につなげた。また、キューリグ・グリーンマウンテンとの提携を通じ、キューリグが1杯用のドリンク・カプセル”K-カップ”にダンキンのブランドを加えて販売を開始したことも奏功している。調整済み営業利益率は47.1%と、前年同期の44.0%を大きく上抜けた。

売上の部門別動向は、以下の通り。

>ダンキン・ドーナツ・米国
6.9%増の1億3390万ドル、既存店売上高は2.7%増で前年同期の1.2%増から改善
>ダンキン・ドーナツ・海外
53.5%増の660万ドル、既存店売上高は1.7%増で前年同期の2.4%から改善
>バスキン・ロビンス・米国
8.2%増の987万ドル、既存店売上高は8.0%増で前年同期の0.5%増から改善
>バスキン・ロビンス 海外
21.5%減の2360万ドル、既存店売上高は0.3%増で前年同期の1.4%増から鈍化

2015年は、売上高につき6〜8%増を見込み従来の5〜7%増から引き上げた。調整済み1株当たり利益も1.87〜1.91ドルとし、従来予想の1.83〜1.87ドルから上方修正。見通しの好転には、J. M. スマッカーとキューリグ・グリーンマウンテンとの提携内容の拡充を挙げた。業績、見通し全てを好感し、株価は一時8%超も急騰した。

(カバー写真:Bloomberg)

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