Earnings Roundup : Coach, UPS, T-Mobile.
28日の決算発表は、まだまだ続きます。コーチ、UPSはそろってドル高圧力を確認。株価では明暗が分かれておりコーチは大幅安を示しつつ、UPSは大幅増益でNY午後の段階で上昇しています。Tモバイルは減益ながら、新規加入数の増加を背景に買いが優勢となりました。
▽コーチ
革製品ブランドが発表した1−3月（第3四半期）決算では、純利益が前年同期比は53.8％減の8810万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は0.32ドルと、市場予想の0.35ドルより弱い。売上高は15.5％減の9億2930万ドルとなり、市場予想の9億4990万ドルを下回った。北米での売上が足元7四半期で最大の減収を記録した上、ドル高の影響で海外部門も減収を計上し業績改善への道のりが遠いことを示す。マイケル・コースやトリー・バーチなどとの競争が激化するなか業績回復を見出せず、株価は一時6.7％も沈んだ。
地域別の売上動向は、以下の通り。
＞北米 24％減の4億9300万ドル
・売上高はここ7四半期で最大
・既存店売上高は23％減、市場予想の21.5％減より弱い
・値引きとプロモーション活動の鈍化が背景で減収
＞海外 3％減の4億2800万ドル
・為替変動を除く場合は4％増
・中国は為替変動を除く10％増（ドル建てで8％増）
・日本は11％減、消費税増税前駆け込み需要の反動（ドル建てで23％減、円安が背景）
・その他アジアは小幅増
・欧州は2桁増
店内での人影もまばらで、一時期増えた中国人観光客の姿も見られず。
（出所：Coach）
▽UPS
配送大手が発表した1−3月（第1四半期）決算では、純利益が前年同期比12.6％増の10億2600万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は1.12ドルと、市場予想の1.09ドルより強い。営業利益は14％増の4億9800万ドル。2014年12月末から開始した値上げにより、大幅増益を達成している。もっとも燃料サーチャージの低下やドル高が重しとなり、売上高は1.4％増の139億7700万ドルで市場予想の142億7000万ドルを下回った。出荷額は2.8％増の11億ドルで、欧州向け輸出が9.4％増と特に強い伸びを達成したもののユーロ安で売上が押し下げられている。株価は大幅増益を好感したほか、貨物量の増加もあって一時3％も上昇した。
＞米国
・売上高は3.8％増の88億1400万ドル
・営業利益は10.5％増の10億2400万ドル
・1日当たり配送量は2.4％増
・営業利益率は11.6％、前年同期の10.9％から改善
＞海外
・売上高は5.0％減の29億7000万ドル、為替変動を除くと2.4％増
・営業利益は13.7％増の4億9800万ドル
・営業利益率は16.8％、前年同期の14.0％から改善
＞サプライチェーン／航空貨物
・売上高は1.3％増の21億9300万ドル、航空部門がけん引
・為替変動と燃料サーチャージの低下が伸びを抑制
・営業利益率は2.0％の1億5100万ドル
・営業利益率は6.9％、前年同期の6.8％から改善
2015年通期は、1株当たり利益を5.05〜5.30ドルで据え置いた。
▽Tモバイル
通信大手が発表した1−3月（第1四半期）決算では、純損失が前年同期比58.3％減の6300万ドルだった。1株当たりの損失は0.09ドルと、市場予想の0.08ドルより赤字幅を拡大。顧客開拓向けの戦略的投資により、減益を計上している。売上高は13.1％増の78億ドルで、市場予想の77億ドルを上回った。
利用者数は5680万人となり、2月に発表したスプリントの5590万人を超え業界3位に入れ替われる公算。新規加入数は180万件増で、8四半期連続で100万件増を達成した。料金後納プランの新規加入数は110万件増で、市場予想の93万人増を上回っただけでなく3四半期連続で100万人超えを遂げた。最大手ベライゾンの56.5万件増、2位AT&Tの44.1万件増を大幅に超えるペースを保つ。解約率は1.3％と、前年同期の1.47％を下回り過去最低を更新した。
2015年通期の料金後納プランの新規加入者数は300万〜350万人とし、従来予想の220万〜320万人から上方修正した。業界3位に浮上する期待に加え加入者数の増加を背景に、株価は一時1.1％高を示した。
（カバー写真：David Goldman/AP）
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