Core Consumer Prices In April Hit Highest In 2 Years.
米4月消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%上昇し、市場予想と一致した。2008年12月以来の水準へ沈んだ1月の0.7%の低下、2ヵ月連続での0.2%の上昇を含め3ヵ月連続でプラス圏を維持している。原油安を背景にエネルギーが1.3%の低下と、3ヵ月ぶりに低下に反転。特にガソリン価格が1.7%低下し、2013年2月以来の高水準を示した前月から減速している。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は1月26日時点で2.173ドルと2009年4月以来の水準まで下落し3月9日週に2.487ドルまで上昇した後、4月は一時2.408ドルまで軟化していた。一方で食品・飲料は横ばい。前月の0.2%の低下から転じたものの、ドル高を背景に反発余力の乏しさを確認した。
CPIコアは前月比0.3%の上昇となり、市場予想の0.1%を上回った。1−3月の0.2%から加速した結果、2013年1月以来の高水準を示す。シェアの大きい帰属家賃は前月に続き、0.3%。住宅は0.2%となり、前月の0.1%を上回った。家賃は0.3%と、8ヵ月連続で上昇。サービスは0.3%と、3ヵ月ぶりの高水準を示した。教育は0.2%上昇し、3ヵ月ぶりに上昇。娯楽も0.1%と、前月に続きプラスを迎えている。医療費は0.7%と2ヵ月連続で上昇しただけでなく、直近で最も上振れした。一方で新車は0.1%、中古車・トラックも0.6%とプラス圏を確保しつつ、前月の0.2%、1.2%から鈍化。服飾は0.3%低下し、4ヵ月ぶりにマイナスに反転した。航空運賃は、燃料サーチャージの下落もあって1.3%の低下と2ヵ月連続で1%以上の下げ幅となった。
CPIの前年比では0.2%の低下となり、市場予想の0.1%の低下および前月の±0%より弱い結果となった。2009年4月以来で最大の落ち込みを記録している。CPIコアの前年比は1.8%の上昇となり、市場予想の1.7%を超えた。前月に続き2014年10月以来の高水準。2月の1.7%および11ヵ月ぶり低水準だった1月の1.6%から、改善を続けた。
バークレイズのブレリナ・ウルシ米エコノミストは、住宅の賃貸率が上昇しエネルギー価格が安定しており今回の結果は「インフレの上方リスクを高める」と指摘した。またコアCPI動向を踏まえると「ドル高はさほど波及していない」と判断しており、インフレ目標値2%に向かいつつあるとの考えを示唆している。ただし物価の上振れを背景に「米4−6月期国内総生産(GDP)見通しは従来の2.6%から2.5%」へ下方修正した。
——全般的に、4月も3月に続き年内利上げをサポートする内容となっています。問題は賃金の伸び、労働指標、成長率。米1−3月期GDPには統計上の問題が浮上しているとはいえ、9月利上げを確実にするには米4−6月期GDPが2%以上を回復することが望ましいと考えられます。現状のアトランタ連銀の予想では0.7%と、エコノミスト予想の3%割れとかい離を維持。
アトランタ連銀VSエコノミスト予想、今回はどちらに軍配が上がる?
(出所:Federal Reserve Bank of Atlanta)
現状ではFF先物市場が織り込むように12月が本命視されつつ、インフレ加速で見通しが変わって来るのか注目されます。
(カバー写真:Pualana)
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