Top 100 Most Valuable Global Brands In 2015.
市場調査会社の最先端を行くミルウォード・ブラウンが広告代理店大手WPPと共同で「世界で最も価値あるブランド100:2015年版 」を発表しました。世界のブランド力(会社ではなく、あくまでブランド)を、財務状況と認知度などをベースに金額で算出した調査です。
トップ100企業のブランド価値は前年比で14%上昇し、2014年の12%、2013年の7%から毎年華麗に加速しているんですね。過去10年間の上昇幅になると、リーマン・ショックと低金利時代を経て126%に達しました。株式パフォーマンスでも過去10年間に102.6%舞い上がり、S&P500の63%、MSCIワールド・インデックスの30.3%に大きく水を開けています。
それでは、気になるランキングをチェックしてみましょう。
1位 アップル(テクノロジー) 2469億9200万ドル 前年比 ↑ 67% 2014年は2位
2位 グーグル(テクノロジー) 1736億5200万ドル 前年比 ↑ 9% 2014年は1位
3位 マイクロソフト(テクノロジー) 1155億ドル 前年比 ↑ 28% 2014年は4位
4位 IBM 9400万ドル(テクノロジー) 939億8700万ドル 前年比 ↓ 13% 2014年は3位
5位 ビザ 9200万ドル(決済) 919億6200万ドル 前年比 ↑ 16% 2014年は7位
6位 AT&T(通信) 894億9200万ドル 前年比 ↑ 15% 2014年は8位
7位 ベライゾン(通信) 860億900万ドル 前年比 ↑ 36% 2014年は11位
8位 コカコーラ(飲料) 838億4100万ドル 前年比 ↑ 4% 2014年は6位
9位 マクドナルド(ファスト・フード) 811億6200万ドル 前年比 ↓ 5% 2014年は5位
10位 マルボロ(たばこ) 803億5200万ドル 前年比 ↑ 19% 2014年は9位
以上をみると、業績不振が取り沙汰されるIBMとマクドナルドが低下するのみ。決算ともシンクロしており、グーグルもアップルに王座を明け渡してしまいました。またトップ10から万年赤字に喘ぐアマゾンが陥落し、代わりにベライゾンが浮上しています。
2011年時点でもお伝えしたように、中国企業の躍進はまさに飛ぶ取りを落とす勢い。2014年9月に華々しい上場を果たしたアリババは、トップ100圏外から13位へ急伸しています。アメリカ最大のオンライン小売アマゾン(14位)、小売最大手ウォルマート(26位)をあっさり抜いていきました。その他テンセントが11位(前年比43%上昇、2014年は14位)、中国移動が15位(前年比20%上昇、2014年も15位)、百度は21位(前年比35%上昇、2014年は25位)、中国工商銀行も22位(前年比8%低下、2014年は20位)と、トップ25に5社ランクインさせています。ベスト100では12社に及び、2014年の10社から増加しました。
マー会長、IPOを成功させブランド力も増強でき笑いが止まらない?
(出所:CNBC)
翻って日本はトヨタが最高位で30位(前年比2%低下、2014年は26位)、ホンダが78位(前年比5%低下、2014年は70位)、日産が93位(前年比3%上昇、2014年は90位)と、常連の自動車ブランドが並びました。96位にNTTドコモが96位(前年比12%上昇、2014年は95位)、ソフトバンクは初のトップ100に食い込み98位で、通信が加わり合計で5社。ソフトバンクが健闘したおかげで、2014年の4社から1つ増えています。
トップ100に初登場したブランドは、7社。アメリカのコストコ以外は中国の2社、日本で1社を含めアジア太平洋圏が6社を占めました。ブランド力や株価パフォーマンスでもアジア諸国の隆盛をみせつけるなか、世界企業の勢力図に変化の兆しが現れているかのようです。オバマ米大統領が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)締結に向け、躍起になるのが分かるような気がしますね。
(カバー写真:Millward Brown)
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