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米5月ISM製造業景況指数は改善、米4月建設支出は予想外の大幅増

by • June 1, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2083

May ISM Manufacturing Index Improves, April Construction Spending Pops.

米5月ISM製造業景況指数は52.8となり、市場予想の51.8を上回った。前月まで2ヵ月連続で51.5と2013年5月以来の低水準を経て、小幅に改善。2月の52.9手前まで切り返している。内訳は以下の通りで、生産以外は前月から上向きを示した。

・新規受注 55.8、5ヵ月ぶり高水準>前月は53.5
・雇用 51.7>前月は49.5、2013年4月以来の分岐点割れを示現
・仕入れ価格 49.5、8ヵ月ぶりの分岐点回復が迫る>前月は40.5
・入荷時間 50.7、3ヵ月ぶり高水準>前月は50.1
・受注残 53.5、3ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月は49.5
・在庫 51.5>前月は49.5、5ヵ月ぶりに分岐点割れ

・生産 54.5<前月は56.0、3ヵ月ぶり高水準
・新規輸出受注 50.0<前月は51.5

モルガン・スタンレーのテッド・ウィーズマン米エコノミストは、今回の結果をにつき「18業種のうち14業種が拡大を報告し前月の15業種から減少した」としつつ、「3月の10業種、2月の12業種を上回り1月の水準へ戻している」と評価した。製造業者からは「経済の上向き、需要の拡大、西海岸の港湾労働者ストライキ収束を経た流通網の改善」を挙げる声が聞かれたとも指摘。ただしドル高が「原油価格とともに引き続きかく乱要因で、新規輸出受注は前月から鈍化した」とも付け加えた。

▽米5月マークイット製造業PMI・確報値は上方修正、前月とほぼ変わらず

米5月マークイット製造業PMI・確報値は54.0となり、市場予想および速報値の53.8を上回った。前月の54.1には、あと一歩及ばず。内訳をみると雇用が前月を上回った程度で、生産や新規受注などそれぞれ前月以下にとどまった。

マークイット、年初から伸び悩みを継続。

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(出所:Markit)

マークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「新規受注が2014年1月以来の水準に落ち込んでおり、ドル高のダメージを確認した」と振り返る。輸出の減少や利益縮小も、経済鈍化の一因と指摘。製造業活動は米4−6月期の回復に「疑問を投げかける」としつつ、雇用を評価し「夏場に発表のデータは利上げ時期を見極める上で非常に重要」と結んだ。

▽米4月建設支出、上方修正された過去分と合わせ力強い

米4月建設支出は前月比2.2%増となり、市場予想の0.7%増を上回った。前月の0.5%増(0.6%減から上方修正)を含め、3ヵ月連続で増加している。住宅が0.6%増と前月の0.9%減から反転したほか、非住宅も3.2%増と前月の1.4%増に続き3ヵ月連続で増加した。

民間は1.8%増となり、前月の0.9%増を含め3ヵ月連続で増加した。住宅が0.6%増と前月の0.1%減からプラス圏を回復。非住宅も3.1%増と3ヵ月連続で増加している。特に宿泊、オフィス、教育、電力がそろって3%以上の高い伸びを達成していた。公共は3.3%増と、前月の0.4%減から増加に反転。住宅が3.3%増と6ヵ月連続で増加し、非住宅も3.3%増と前月の0.5%減から力強くプラス圏を回復した。

ゴールドマン・サックスは、米4月建設支出の上方修正と力強い伸びを評価し米4−6月期国内総生産(GDP)の予想を従来の2.4%増から2.5%増ヘ引き上げた。

——米5月ISM製造業景況指数は、米5月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)をはじめ米5月NY連銀製造業景況指数など各連銀発表の製造業センチメントに反し改善しました。米4月建設支出の過去分の上方修正に加え今回の数字を踏まえると、米1−3月期GDP改定値に上方修正の期待が一段と高まるだけでなく、米4−6月期GDPの回復力もアトランタ連銀の試算を大幅に上回る公算。こうなると、やはり9月利上げの可能性は無視できませんね。

(カバー写真:Wise Geek)

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