China Cuts Interest Rates Right After Shanghai Composite Nears Bear Market.
中国人民銀行は27日、25bpの追加利下げを実施しました。1年物貸出金利は5.1%から4.85%、1年物預金基準金利も2.25%から2.0%に設定。2014年11月に約2年ぶりの利下げを実施して以来、2015年2月、同年5月に続き4回目となります。さらに今回は、農業・中小企業向けに一定の貸出を行う銀行に対し預金準備率を50bp引き下げました。2月と4月のように大手銀行に対する引き下げは行ってはいないものの、利下げと預金準備率引き下げの合わせ技はリーマン・ショックの衝撃が世界の金融市場を襲った2008年10月以来初めてとなります。
声明では「成長の安定化を図る」ため、追加利下げに踏み切ったと説明。上海総合指数が26日に7.4%も急落したおかげで弱気相場入りに迫り、さすがに黙ってみていられなかったのでしょう。何せ、1.25兆ドルというメキシコの国内総生産(GDP)に匹敵するほどの時価総額が吹っ飛んだのですから。スタンダード・チャータード銀行のエコノミストは、「今回の措置はブル相場を維持したい政府の意向が読み取れる」との見解を示していました。国営企業をはじめとして多大な債務を株式に転換させる途上にあれば、尚更です。
今回の緩和策実施をめぐり、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は市場関係者がブラック・マンデーの困難に立ち向かったFedになぞらえ評価していると伝えます。その評価は、中国人民銀行が5月8日の金融政策報告書で量的緩和(QE)の導入に否定した見解を撤回すれば、なおさら高まるのでしょうか?問題は、アパルーサ・マネジメントのデビッド・テッパー氏のような認識を持つ投資家の存在と言えるかもしれません。
周小川総裁は、中国のグリーンスパンになれるのか?
(出所:IMF/Flickr)
アジアインフラ投資銀行(AIIB)の存在も、見捨てておけません。6月29日には、設立協定の署名式を北京で開催する予定です。資本金1000億ドルのうち、中国の出資額は298億ドルと最高で議決権は29.8%を突破。参加57ヵ国のうち次いでインドが8.4%、ロシアが6.5%、ドイツが4.5%と続きます。国際通貨基金(IMF)での米国の議決権16.7%を遥かに上回るんですよね。屋台骨の中国が、ここで経済を失速させAIIBを空中分解するわけにはいかない。そんな中国の強固な決意すら、漂います。
(カバー写真:US-China Perception Monitor)
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