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米6月ISM製造業景況指数、米5月建設支出は市場予想を上回るも・・

by • July 1, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2008

June ISM Manufacturing Index And May Construction Top Estimates.

米6月ISM製造業景況指数は53.5となり、市場予想の53.2を上回った。前月の52.8を超え、5ヵ月ぶりの高水準。内訳は以下の通りで、生産以外は前月から上向きを示した。

・新規受注 55.8、5ヵ月ぶり高水準>前月は55.8
・雇用 55.5、年初来で最高>前月は51.7
・在庫 53.0、2ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は51.5
・仕入れ価格 49.5、9ヵ月ぶりの分岐点回復が迫る=前月は49.5

・生産 54.0<前月は54.5、3ヵ月ぶり高水準
・新規輸出受注 49.5、3ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は50.0
・入荷時間 48.8、足元久々に分岐点割れ<前月は50.7
・受注残 47.0、分岐点割れトレンドへ戻す<前月は53.5、3ヵ月ぶりに分岐点を回復

BNPパリバの米エコノミストは、今回の結果につき「18業種のうち11業種が拡大を報告し前月の14業種から減少した」とコメント。ただし大寒波の影響を受けた3月の10業種、2月の12業種からは上回ったという。

▽米6月マークイット製造業PMI・確報値は上方修正、前月とほぼ変わらず

米6月マークイット製造業PMI・確報値は53.6となり、速報値の53.4から上方修正された。ただし市場予想の53.7、および5月確報値の54.0にも届かず。2013年10月以来の水準へ落ち込んだ。内訳をみると、雇用と仕入れ価格が2014年11月以来の高水準。新規受注も上昇した。もっとも、生産や新規輸出受注は軟調なままだ。

マークイット、約1年半ぶりの低水準。

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(出所:Markit)

マークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「経済鈍化の兆しが再び現れており、特にドル高を背景に新規輸出受注は3ヵ月連続で低下した」と指摘。設備投資も新規受注動向を踏まえると「慎重な姿勢へシフトしつつあり、足元の著しい雇用の伸びは見通しが改善しない限り減速しかねない」と警鐘を鳴らす。消費関連は好調も輸出が低迷するなど、成長全体もまばらで「Fedは利上げを開始する前に数ヵ月にわたって回復を見極めたいのではないか」と結んだ。

▽米5月建設支出、金額ベースでは2008年10月以来の高水準

米5月建設支出は前月比0.8%増の1兆360億ドルとなり、市場予想の0.5%増を上回った。前月の2.1%増(2.2%増から上方修正)を含め、6ヵ月連続で増加。金額べースでは、2008年10月以来の高水準を果たした。住宅が0.3%増と前月の0.3%増と合わせ2ヵ月連続で増加し、非住宅も1.1%増と前月の3.0%増を含め4ヵ月連続で増加した。

民間は0.9%増となり、前月の2.2%増を入れて少なくとも5ヵ月連続で増加した。住宅が0.3%増と2ヵ月連続でプラスに。非住宅も1.5%増と6ヵ月連続で増加している。特に宿泊、娯楽、通信、製造業などで高い伸びを達成していた。公共は0.7%増と、前月の1.7%増と合わせ3ヵ月連続で増加。住宅が1.1%増と増加トレンドを保つほか、非住宅も0.7%増と3ヵ月連続でプラスを示した。

バークレイズの米エコノミストは、好結果だったものの「4月分の地方・州政府支出の下方修正が響き、政府支出を引き下げた」と指摘。米4−6月期国内総生産(GDP)の予想を従来の3.1%増から3.0%増へ修正した。

——米6月ISM製造業景況指数は5ヵ月ぶり高水準だったものの、生産や新規輸出受注が下押ししており堅調な在庫を踏まえると製造業活動が今後鈍化する可能性をはらみます。拡大を報告する業種が5月から減少した点も、気掛かり。米6月マークイット製造業PMI確報値にも、その兆しが現れていました。米5月建設支出はヘッドラインこそ強含んだとはいえ、4月分の公共の非住宅が軟化。米4−6月期成長率、下半期見通しともにバラ色とはいかないようです。

(カバー写真:mendhak/Flickr)

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