Alcoa Starts The Earnings Season With Revenue Up.
決算シーズンの到来を告げるアルコア、引け後に発表した4−6月期の業績は売上が市場予想を上回ったため、時間外取引で、株価は一時0.5%高を示しています。ギリシャ債務危機や中国株安に加えニューヨーク証券取引所のシステム障害という波乱を経て幕開けしたものの、業績懸念を和らげてくれました。
4−6月期決算で、純利益は前年同期比1.4%増の1億4000万ドルだった。再編費用は、1億4300億ドル。再編費用など特殊項目を除く1株当たり利益は0.19ドルと、市場予想の0.22ドルより弱い。
部門別の税引き後営業利益は、以下の通り。
・工業品部門は2億1000万ドル、過去最高>前年同期は2億200万ドル
・アルミナ部門は2億1500万ドル>前年同期は3800万ドル
・圧延品部門は7600万ドル>前年同期は7000万ドル
・一次金属部門は6700万ドル<前年同期は9700万ドル
売上高は1.0%増の58億9700万ドルとなり、市場予想の58億1000万ドルを上回った。アルミ1トン当たりの売上高は、前年同期比5%下落の2180ドル(前期比は10%下落)。もっとも税引き後の営業利益で過去最高を叩き出した工業品部門のほか、上半期で2007年以来で最高の税引き後営業利益を計上したアルミナ部門、自動車・航空部門が売上に寄与したという。
フリーキャッシュフローは2億500万ドルとなり、前期の4億2200万ドルのマイナスから反転させた。なお2014年10−12月期は9億8900万ドルと2010年10−12月期以来で最大だったという。
▽2015年見通し
アルミ需要は6.5%増の5750万メトリック・トンと過去最高へ、1月時点から据え置き
航空部門の売上は8−9%増、A350およびボンバルディアCシリーズの需要鈍化で4月の9−10%増から下方修正
重量トラック部門の売上は4−6%減、中国とブラジルの需要鈍化を背景に4月時点の2−4%減から下方修正
自動車部門の需要は2−4%増、1−4月時点から据え置き
建設部門は5−7%増、1−4月時点から据え置き
産業・ガスタービン部門は2−3%増、1−4月時点から据え置き
アルコアは3月、RTIインターナショナル・メタルの買収を発表。2014年12月にはドイツのタイタニウム製造大手Tital、2014年6月には英国のジェット・エンジン部品製造会社ファースト・リクソンを買収しており、自動車部品および航空関連といった部門への集約を進めている。
クラウス・クラインフィールド最高経営責任者(CEO)は、決算資料にて「ポートフォリオの再編と賢明な投資を背景に力強い成長を果たした」と振り返った。
アルミ先物が弱気相場入りするなか、株価も右肩下がり。
(出所:Stockcharts)
——中国を景気減速・株安が直撃するなかでも、2015年見通しは小幅な下方修正にとどまりました。4−6月期の売上高が予想を上回ったほかアルミ需要を据え置いたことも含め、投資家の不安心理を多少は払拭させたもようです。ただ本日は5.1%安もの急落を演じたため、時間外取引では自律反発を示した可能性も残ります。
(カバー写真:AP via America’s Market)
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