Earnings Roundup : Netflix, Intel.
15日引け後に発表された主な決算をおさらいしていきます。
▽ネットフリックス、売上は予想以下も会員数の増加で株価急伸
動画ストリーミング大手が4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比63%減の2630万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は0.06ドルとなり、市場予想の0.04ドルより強い。売上高は22.7%増の16億4500万ドルで、市場予想の16億5000万ドルに届かなかった。
会員数は前期比328万人増となり、同社予想の250万人増だけでなくアナリスト予想平均の314万人も超えていった。内訳をみると、米国が90万人増と前期の228万人増から失速したものの、海外が237万人増を果たし前期の260万人増から加速。世界全体での会員数は、6555万人に達した。豪、ニュージーランドでのサービス開始に加え、4月10日からはオリジナル作品でIMDBで10点中9.0と類を見ない高得点をマークする「デアデビル」がデビューを飾り、会員数に寄与。人気シリーズ第3シーズン「オレンジ・イズ・ザ・ニュー・ブラック」、アニメ制作会社ドリームワークスとの提携第1弾「ドラゴンズ:レース・トゥ・ザ・エッジ」のほか、ドキュメンタリー「シェフズ・テーブル」も呼び水となったようだ。
7−9月期は1株当たり利益を0.07ドルと予想し、市場予想の0.05ドルを上回った。会員数は355万人増を見込み、米国では115万人増、海外で240万人増となるシナリオを描く。時間外取引で、株価は一時10%近く急伸した。
アップルにならい1対7の株式分割を実施した取引初日、ザラ場では続落。
ネットフリックスは海外展開に軸足を移しており今秋には日本をはじめイタリア、ポルトガル、スペインでサービスを開始する予定。カンファレンス・コールでは、2016年に中国へ進出する方針も明らかにした。ただし海外事業拡大は、動画配信向けコンテンツ利用料の拡大を意味する。4−6月期の売上費用は11億2200万ドルと売上全体の約7割に及ぶだけでなく、マーケティング費用も1億9700万ドルとかさんでいた。営業利益は7480万ドルにとどまり、前年同期比で42.3%も急減する有様。フリーキャッシュフローはマイナス2億2900万ドルと、1−3月期の1億6300万ドルから大幅に拡大していた。2016年には世界全体でのコンテンツ提供料は50億ドルを突破する見通しだが、ネットフリックスの野心的な世界展開にはキャッシュフローという懸念がつきまとう。
またケーブル局の参入で、競争も激化しかねない。すでにタイム・ワーナー傘下のHBOが「HBO NOW」と題した単独ストリーミングを開始、アップルTVにもサービスを提供している。コムキャストも、今夏にインターネット利用者向けに同サービスを展開する予定だ。
▽インテル、パソコン需要鈍化も利益・売上とも市場予想超え
半導体大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比3.2%減の27億1000万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は発行済み株数の減少を受け0.55ドルと、市場予想の0.50ドルより強い。売上高は4.6%減の131億9000万ドルながら、市場予想の130億4000 万ドルを超えている。パソコン需要の鈍化を利益率の高いデータセンター向け半導体ラインナップ拡充に集約、売上を補ったかたちだ。同社は6月に167億ドルでFPGAメーカーのアルテラと買収で合意しており、今後も攻勢をかける公算。粗利益率は62.5%となり、同社予想の中央値62%を上回った。
売上の内訳は、以下の通り。
>データセンター 5%増の39億ドル
>クライアント・コンピューティング 2%増の75億ドル
>インターネット関連 5%増の5億5900万ドル
>ソフトウェア・サービス 横ばいの5億3400万ドル
7−9月期の売上高は138億〜148億ドルを見込み、中央値は市場予想の140億6000万ドルを上回った。2015年は売上高につき前年比1%減を予想し、従来の横ばいから下方修正。ただし、アナリスト予想平均である2.0%減ほどの悪化を見込んでいない粗利益率は61.5%±2%とし、従来の61%から引き上げた。設備投資を下方修正。72億〜82億ドルとし、従来の82億〜92億ドルから引き下げた。時間外取引で、株価は一時4.8%上昇した。
(カバー写真:Digital Trend)
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