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20日の決算レビュー:ハリバートン、ハスブロ、IBM

by • July 20, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2631

Earnings Roundup :  Halliburton, Hasbro, IBM.

本日も決算発表をおさらいしていきましょう。寄り前のハリバートン、ハスブロに加えて引け後のIBMをご紹介します。

▽ハリバートン、減収・減益でも利益・売上とも予想を上回る

油田サービス大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比 93.2%減の5400万ドルだった。再編費用や同業ベーカー・ヒューズ買収に絡む費用を除く継続事業ベースの1株当たり利益は0.44ドルと、市場予想の0.29ドルより強い。売上高は26.5%減の59億1900万ドルながら、市場予想の57億8000万ドルを上回った。

売上動向を地域別でみると、米国をはじめ欧州・アフリカ・旧ソ連地域、南米、中東・アジアがそろって押し下げた。部門別では生産部門が19%減の34 億4400万ドル、採掘・査定部門が12%減の24億7500万ドルだった。

デーブ・レザー最高経営責任者(CEO)は、決算資料にて「米司法省との合意を明らかにした通り、ベーカー・ヒューズ買収をめぐる進展に満足している」と振り返った 。買収に絡み、部門売却の買い手と交渉中とも表明。成長促進を狙いコスト削減に努める方針を打ち出したほか、「回復過程でアウトパフォームする」と自信を示す。カンファレンス・コールでは「非常に厳しい環境にあり、商品先物価格およびリグ稼働数がいつ回復するかは誰も分からないだろう」と発言。もっとも「明白な点は、回復が実現すれば北米事業は上向き余地が大きく、当社は業界をリードする役割を担うということだ」と語った。ライバルで業界1位のシュルンベルジェは、前週発表した決算でリグ稼働数の改善を見込んでいた。なおベーカー・ヒューズが発表した石油リグ稼働数は3週連続で増加した後、直近で減少に転じている。

ジェフ・ミラー社長は、決算資料にて「向かい風を踏まえれば、評価できる結果だ」との考えを打ち出した。結果の詳細については「売上は前期比16%減で、世界全体でのリグ稼働数が26%落ち込んだ割に健闘した」と指摘。営業利益での減益は「生産活動の減退と北米での価格下落」を挙げた。株価は決算を好感し、1.8%高で引けた。

▽ハスブロ、映画関連商品が押し上げ予想超え

玩具メーカー大手が発表した4−6月(第2四半期)決算で、純利益は前年同期比24.8%増の4180万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は0.33ドルと、市場予想の0.29ドルより強い 。売上高は4.8%減の7 億9770万ドルと前期に続き減収を計上しつつ、市場予想の7億7310万ドルを上回った。為替差損の7150万ドルを除く場合は、5%増に転じる。

売上を地域別でみると、米国・カナダがドル高・加ドル安を受けながら1%増の3億8520万ドル。海外はドル高を背景に9%減の3億6280万ドルだった。

部門別では、男児用が1.5%増の3億4040万ドルとなり、“ジュラシック・パーク”のほか“スターウォーズ”などマーベル関連の売れ行きが全体を支えた。幼児向けも14%増の1億1810万ドルと、全体に寄与。工作粘度“プレイ—ドー”や“ジュラシック・ワールド“が支えている。反対にマテルの決算が散々だったように、女児向けが22%減の1億2750万ドルと弱い。ぬいぐるみ“ファービー”が引き続き落ち込みが激しく、アニメ“マイ・リトル・ポニー”や玩具の弓矢“ナーフレベル”も押し下げた。ディズニー新作ドラマ“ディセンダンツ”、色を混ぜて作る玩具“ダー・ビンチ”が減少を抑えたものの、力及ばずとなる。 ゲームも6%減の2億1160万ドルと減少に転じた。株価は予想を上回る決算を支えに、6.3%高で取引を終えた。

▽IBM、ドル高に泣き売上が予想以下

テクノロジー大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比15%減の35億8000万ドルだった。調整済み利益は13%減の38億4000万ドル。同1株当たり利益は3.84ドルと、市場予想の3.78ドルより強い。売上高13.5%減の20億8100 万ドルながら、市場予想の 20億9500 万ドルを下回った。今回で13期連続の減収を記録している。為替変動および売却部門を除く場合は、1%減にまで下げ幅を縮める。粗利益率は49.9%と、前年同期の50.1%から低下。調整済みベースでは50.9%と、逆に50.7%から小幅に上昇した。

主な部門別の内訳は、以下の通り。
>グローバル・テクノロジー・サービシズ(クラウド、アウトソーシング関連)
10.5%減の80億6800万ドル、為替変動と売却部門を除く場合は1%増
*クラウド事業は70%増、為替差損を除くベースでは50%増と好調
>グローバル・ビジネス・サービシズ(コンサルティング、アプリ開発、保守管理サービス)
12.0%減の43億4500万ドル、為替変動と売却部門を除く場合は3%減
>ソフトウェア
10.1%減の58億3000万ドル、為替変動と売却部門を除く場合は3%減
>システム・ハードウェア 31.7%減の20億5800万ドル、為替変動と売却部門を除く場合は5%増
*低価格帯サーバー”システムX”をレノボに売却

為替変動や売却部門を除く国別では、米国大陸が前年同期比2%減の98億ドルだった。欧州・中東・アフリカは1%増の66億ドル。ただしアジア太平洋は1%減の43億ドルにとどまり、中国が足を引っ張った。

上半期での詳細をみると、”システムX”売却の影響を除いても中国の落ち込みが目立つ。
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(出所:IBM)

マーティン・シュロ—ター最高財務責任者(CFO)は、カンファレンス・コールにて「フリーキャッシュフローは増加に転じる見通しで、他は据え置き」と振り返った。7−9月期売上高は199億ドルを予想。同社の売上の約3分の2を海外が占めるなか、ドル高の影響は従来より悪化を見込む。

2015年は希薄後の1株当たり利益を14.25〜15.00ドル、調整済み1株当たり利益は15.75〜16.50ドルで維持した。シュローダーCFOの指摘通り、フリーキャッシュフローは小幅増を予想。従来の横ばいから引き上げた。時間外取引では、一時5.2%沈んだ。

(カバー写真:CeBIT 2011 – IBM Logo/Flickr)

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