Strong Dollar And Low Consumer Demand Impacted Macy’s Q2 Earnings.
メイシーズを皮切りに、小売の決算シーズンが幕開けしました。アリババ・グループは中国での消費減速リスクを点灯させましたが、米国でもメイシーズの決算を通じ消費者の財布の紐の固さを確認しています。
百貨店大手が12日に発表した5−7月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比25.7%減の2億1700万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は0.64ドルで、市場予想の0.76ドルより弱い。売上高が2.6%減の61億400万ドルとなり、市場予想の62億3000万ドルを下回った。既存店売上高が2.1%減と、足を引っ張っている。販売・一般管理費は1.7%増の20億5800万ドル。費用の拡大もあって粗利益率は40.9%と、前年同期の41.1%から低下した。
2015年度(2016年1月終了)の売上高は約1%減とし、従来の従来の約1%増から下方修正した。1株当たり利益は、4.70—4.80ドルで維持した。
テリー・ランドグレン最高経営責任者(CEO)は、決算資料にて「失望的であり自社の事情およびマクロ経済動向など数々の要因で押し下げられた」と指摘した。特に「従業員の友人・家族向けセールを大幅に削減したほか、西海岸の港湾労働者ストライキの余波で商品配送がずれ込み値引き開始時期が遅れた」という。消費性向の変化も挙げ、外食をはじめ医療保険、電気製品などへ支出が向かい、百貨店で販売する商品に打撃を与えたとも報告。さらに「上半期はドル高の影響で海外旅行者の支出が大幅に減少するなど、消費者動向に変化が現れた」と説明した。CNBCに出演した折には「欧州、中国、ブラジルからの観光客が買い物を手控えた」と嘆息を漏らす。今後について、ランドグレンCEOは2−4月期決算発表などで明らかにしたように「メイシーズ・バックステージ」と名付けたディスカウント店舗に注力すると表明。同店舗はニューヨーク市で今年の秋に4店舗オープンさせる予定で、平均面積は3万平方スクエア・フィート(約860坪)になるという。
決算に合わせ、中国オンライン小売大手アリババ・グループとの提携を発表。またブルックリンに所有する店舗・土地を不動産開発大手ティシュマン・スプレイヤーに1億7500万ドルで売却する方針を明かした。2015年度の1株当たり利益見通しを維持した背景は、この売却益が見込まれたためである。
メイシーズ、アリババとの提携も悪材料が重なり大幅安。
(出所:Stockcharts)
メイシーズだけではありません。服飾ブランド大手ギャップも、不振続きに喘いでいます。10日引け後に発表した7月既存店売上高は前年同月比3%減となり、市場予想の2%減より下げ幅を広げていました。ブランド別では「ギャップ」が7%減、「バナナ・リパブリック」が10%減、「オールド・ネイビー」のみ3%増となります。
5−7月期の売上高は前年同期比2%減の39億ドルとし、市場予想の39億7000万ドルに届きませんでした。為替変動を除くベースでは横ばいだったものの、対円や対加ドルでのドル高進行により1億ドル押し下げられたといいます。1株当たり利益は0.51—0.52ドル、調整済みの1株当たり利益は0.63—0.64ドルを見込み、市場予想の0.66ドル以下にとどまりました。小売業者は、夏なのに冷たい風が吹き付けます。
(カバー写真:smcgee/Flickr)
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