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米7月個人消費と所得は順調、9月利上げ余地を残す

by • August 28, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2143

August Consumer Spending And Income Show Continued Growth.

米7月個人消費支出は前月比0.3%増となり、市場予想の0.4%増を下回った。前月の0.3%増(0.2%増から上方修正)と並び、5ヵ月連続で増加している。消費の内訳は、以下の通り。

・耐久財 1.12%増>前月は1.09%減、4ヵ月ぶりに減少
・非耐久財 0.23%増、3ヵ月連続で増加<前月は0.53%増
・サービス 0.20%増、増加基調を維持<前月は0.39%増

耐久財は、米7月新車販売台数が再加速したため増加に反転した。非耐久財は、ガソリン価格が下落に転じ鈍化。サービスは、猛暑を回避したため電力料金などが押し下げた。

実質の個人消費(ブルー)が回復し、所得(紺)増加で支出拡大に期待。

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(出所:BEA)

米7月個人所得は前月比0.4%増となり、市場予想および前月値と一致した。可処分所得は0.5%増となり前月の0.4%増(修正値)を超え、少なくとも年初来で最高。貯蓄率は所得が支出を超えて増加したため4.9%となり、3ヵ月ぶりの高水準だった。

所得の内訳は、以下の通り。

・賃金/所得 0.5%増、4ヵ月連続で増加>前月は0.2%増
・不動産収入 0.8%増、4ヵ月連続で増加>前月は0.6%増
・家賃収入 0.7%増、29ヵ月連続で増加<前月は1.1%増
・資産収入 ±0%増<前月は0.9%増
(配当が±0%増と前月の0.4%増から鈍化、金利収入は金利低下を背景に0.1%増と前月の1.3%増から減速)
・社会福祉 0.4%増>前月は0.4%減
(メディケイド=低所得者層向け医療保険は1.5%増と前月の0.8%増に続き増加、メディケア=高所得者向け医療保険は0.4%増と前月の0.3%増に続き増加)
・社会補助 0.3%増、8ヵ月連続で増加=前月は0.3%増

米7月個人消費支出(PCE)デフレーターは前月比0.1%上昇し、市場予想と一致した。前月の0.2%に届かなかったとはいえ、3ヵ月連続で上昇している。前年比は0.3%の上昇となり、前月と並んだ。コアPCEデフレーターは6ヵ月連続で前月比0.1%上昇し、市場予想とも一致。前年比は1.2%となり、前月の1.3%から鈍化した。PCEデフレーターとコアPCEともに、米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標値「2%」からかい離した水準を維持。目標値割れは、そろって2012年5月以来となる。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受けて「個人消費支出は実質0.2%増で鈍化したものの公益が5.3%減と予想以上に減少したためで、過去分も上方修正された」と指摘。実質個人消費は「7−9月期に前期比年率2.9%増」と試算し、米7−9月期GDPを「2.0%増」と予想した。

——米7月個人消費支出・所得は、消費の堅調ぶりを示し7−9月期の米成長率が巡航速度を保つ可能性を点灯させました。FF金利先物動向は年明けの利上げを織り込みNY連銀のダドリー総裁が9月利上げに慎重な認識を表明するなか、ジャクソン・ホール会合に出席中のクリーブランド連銀のメスター総裁(来年の投票メンバー)は9月16−17日開催のFOMCまで指標を見極めたいとした上で「米経済は堅調で、利上げを支えられるとの基本的な見通しは現時点で変わっていない」と発言。9月利上げを視野に入れた姿勢を打ち出しました。同じくジャクソン・ホール会合に出席するセントルイス連銀のブラード総裁(来年の投票メンバー)も9月利上げに肯定的な見解を示しており、金融市場にボラティリティが襲った後もFOMC参加者の間で利上げ推進派の存在がちらつきます。

(カバー写真:Andi Campbell-Jones/Flickr)

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