Earnings Roundup : PVH Corp, Dollar General, Williams-Sonoma.
小売セクターの決算が続きます。PVHコープはティファニーと一線を画し、ドル高でも好業績を謳歌していました。反対にダラー・ゼネラルとウィリアムズ−ソノマは、見通し下方修正が響いています。
▽PVHコープ、ドル高でも売上が予想を超え見通しも上方修正
カルバン・クラインやトミー・ヒルフィガーなどの服飾ブランドを傘下に持つPVHコープが前日引け後に発表した5−7月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比19.2%減の1億220万ドルだった。特殊項目を除く1株当たり利益は1.37ドル。為替差損の0.31ドルを含んでも、市場予想の1.29ドルより強い。売上高は5.6%減(為替変動を含む場合は4.3%減)の18億6400万ドルとなり、市場予想の18億2000万ドルを上回った。
8−10月期の1株当たり利益は為替差損の0.40ドルを含め2.45−2.50ドルを見込み、レンジ下限が市場予想の2.45ドルに並んだ。2015年度(2016年1月末終了)の1株当たり利益は為替差損1.20ドルを含め6.90−6.95ドルとし、従来の6.85−6.95ドルへ引き下げた。中央値は、アナリスト予想平均の6.92ドルに近い。ドル高でも市場予想を上回る決算を計上したほか見通しも上方修正し、株価は一時4.4%上昇した。
カルバン・クラインを踏襲しテニス界のスター、ナダル選手をフィーチャー。
(出所:Tommy Hilfiger)
▽ダラー・ゼネラル、売上が予想以下で既存店売上高見通しを下方修正
1ドルショップ大手が発表した5−7月(第2四半期)決算で、純利益は前年同期比12.3%増の2億8230万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は0.95ドルと、市場予想の0.94ドルより強い。売上高は7.9%増の50億9590万ドルとなり、市場予想の51億4000万ドルを下回った。既存店売上高が2.8%増で、客足増加と支出拡大が寄与。もっとも、市場予想の3.6%増に届いていない。粗利益率は31.2%で、前年同期の30.8%を上回った。
2015年度(2016年1月末終了)は、既存店売上高を下方修正した。今回は、従来の3.0−3.5%増のレンジ下限を見込む。一方で1株当たり利益は3.85〜3.95ドル、売上高は8〜9%増で据え置いた。売上が予想以下だったほか見通しの下方修正もあって、株価は一時3.8%下落した。
▽ウィリアムズ—ソノマ、売上は予想上回るも見通しを下方修正
キッチン関連小売大手が発表した5−7月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比5.8%増の5370万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は0.58ドルとなり、市場予想と一致。同社予想の0.53−0.57ドルを超えている。西海岸の港湾労働者ストライキの影響がくすぶり販売・一般管理費が8.7%増の3億2300万ドル、粗利益率も36.1%と前年同期の36.8%から低下していた。売上高は8.5%増の11億2700万ドルで、市場予想の11億1000万ドルおよび同社予想の10億9000万−11億1000万ドルを上回った。小売部門が3.1%増の4億9800万ドルで、オンライン部門は8.4%増の5億3300万ドルとなる。
既存店売上高は6.3%増となり、市場予想の5.7%増を上回った。ブランド別では、住宅市場の改善を追い風に家具関連のウェスト・エルムが15.7%増(前年同期は16.7%増)と特に強い伸びを示す。ポッタリー・バーンも6.4%増(前年同期は4.4%増)と好調。ウィリアムズ—ソノマのみ、0.3%減(前年同期は3.4%増)と減少した。
8−10月期の1株当たり利益は0.68−0.73ドルとし、市場予想の0.75ドルに届かず。売上見通しも11億9000万−12億2000万ドルで、レンジ上限が市場予想に届く程度だった。見通しを嫌気し、株価は一時6.5%下落した。
(カバー写真:Calvin Klein)
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