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米9月消費者物価指数、エネルギー関連が押し下げもコアは堅調

by • October 17, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1700

Consumer Price Index Fell, Core Showed Strength.

米9月消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇し、市場予想に並んだ。8月の0.1%に続き、2カ月連続でマイナスに陥っている。原油先物が2009年4月以来の安値近くで推移するなかエネルギーが4.7%低下し、そのうちガソリン価格も9.0%の低下とそれぞれ加速度をつけ2ヵ月連続でマイナスに落ち込み、全体を押し下げた。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は6月に一時2.835ドルと2014年11月の水準まで切り返したが、9月は一時2.322ドルへ下落。約7ヵ月ぶりの水準へ失速していた。一方で食品・飲料は0.4%上昇し、4ヵ月連続で上向いた。

CPIコアは前月比0.2%上昇し、市場予想および前月の0.1%を上回った。2013年1月以来の高水準を示した4月の0.3%に接近している。シェアの大きい帰属家賃は前月の0.2%に続き、0.3%と堅調なペースを維持。家賃も0.4%と、13ヵ月連続で上昇。住宅も0.3%上昇し、4ヵ月連続で上向いた。サービスは0.2%上昇し前月の0.1%から加速。医療費は0.2%上昇、前月の横ばいからプラス圏へ回復した。教育は0.3%上昇し、2カ月連続でプラス圏を保つ。一方で服飾は0.3%低下し、3ヵ月ぶりにマイナスに反転している。航空運賃も0.1%低下し、3ヵ月連続で弱い。新車も0.1%、中古車も0.2%と5ヵ月連続で下振れした。

CPIの前年比では±0%となり、市場予想の0.1%の低下より弱含まなかった。8月(0.2%の上昇)からは、鈍化。CPIコアの前年比は8月まで3ヵ月連続で1.8%の上昇を経て、今回は1.9%へ伸びを広げた。2014年7月以来の高水準を示す。

前年比ベースでコアCPI(赤)、CPI(青)はそろって変わらず。
cpi
(出所:BLS)

JPモルガンのジーナ・ブシュラ・サジード米エコノミストは、CPIの結果を受け「コアPCEは9月に前月比0.1%、前年同月比は8月と同じく1.3%」を見込む。米9月生産者物価指数(PPI)に含まれる「医療費や最終サービス財の価格が反映されるため」と説明。今回の内容と裏腹に、インフレ動向は引き続き伸び悩む見通しだ。

——米9月PPIとは反対に、米9月CPIはサービスが堅調だったようにコアがしっかりしていました。もっとも、エネルギー価格の下落やドル高の影響に引きずられモノは抑制的。サービスとモノのせめぎあいは、今しばらく続きそうです。

▽米新規失業保険申請件数、1973年以来の低水準

米新規失業保険申請件数は10月10日週に25.5万件と、市場予想の27.0万件を下回った。前週の26.2万件(26.3万件から修正)から減少しただけでなく、1973年11月24日以来の低水準に並ぶ。米労働省は今回、特殊要因を挙げていない。4週平均は26万5000件と前週の26万7250件を下回り、1973年12月以来の低水準に至った。なお米9月チャレンジャー人員削減予定数は、約4年ぶりの高水準を記録した7月から60%減少していた。

10月3日週までの継続受給者数は215.8万件と、前週の220.8万件(修正値)から減少。2000年11月以来の低水準を記録した。被保険者に占める失業者の割合は3週連続で1.6%となり、1971年以来の最低に並ぶ。

——労働市場は、米新規失業保険申請件数だけをみると好調そのものです。理由として、非正規雇用の拡大が挙げられます。労働統計局のエコノミストに問い合わせたところ、企業が被雇用者として給与台帳に載せていない非正規労働者は失業保険の対象に当てはまらないんですよね。つまりウバーのドライバーは、契約ベースで採用されているため新規失業保険を申請できないというわけです。雇用形態の変化も、失業保険申請件数の減少に寄与していると言えます。

(カバー写真:elysiumcore/flickr)

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