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米11月NAHB住宅市場指数、利上げを視野に小幅低下

by • November 22, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1635

Builder Confidence Drops From 10-Year High.

前週の住宅指標、一部をご紹介します。

▽米11月NAHB住宅市場指数、利上げを視野に小幅低下

米11月NAHB住宅市場指数は62となり、市場予想の64を下回った。10年ぶりで最高に達した前月の65(64から上方修正)から鈍化している。10月27~28日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で12月利上げのサインを点灯させ金利の上昇を促し、センチメントの上昇を抑えたとみられる。

内訳をみると、一戸建て現況指数が67となり、景気回復サイクルで最高だった前月の70から低下した。一戸建て見通し指数も70で、少なくとも2005年10−12月期以来の水準を達成した前月の75から低下。見込み客指数のみ48と、前月の47を超え2014年9月以来で最高を示した。

見込み客指数は上昇も、その他は軒並み低下。
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(出所:NAHBのデータを元にMy Big Apple NYが作成)

4大地域別での住宅市場指数は、西部を除き全て低下し前月と正反対の結果を迎えた。西部は77と、前月の76から上昇。10月に唯一下振れした中西部は59となり、2ヵ月連続で低下している。南部は62と、前月から5ポイント下振れし4ヵ月ぶり低水準に並んだ。北東部は52で、前月と横ばいだった。

発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のトム・ウッズ会長は、結果を受け「ヘッドラインは6月以来60の節目を超えており、一戸建て住宅は長期的に上向く公算」と評価した。ただし前回に続き、建築業者は「土地、および人材で深刻な不足に陥っている」との懸念を寄せる。デビッド・クロウ主席エコノミストは「今回の低下は、上振れした10月分の反動」と指摘。その上で「持続的で緩やかな成長軌道と整合的で、堅調な経済、拡大する労働市場、低水準にある住宅ローン金利を追い風に住宅市場は2016年も上昇トレンドを維持する」と結んだ。

▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利上昇でも大幅上昇

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、11月13日週に前週比6.2%上昇し414.2だった。4週ぶりにプラスに転じている。新規が11.9%上昇の190.0と2週連続で上向いたほか、借換も2.3%上昇の1692.9と4週ぶりに反発した。前年比は全体で10.7%上昇し、新規も18.6%、借換えも5.6%上昇した。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は4.18%と、前週の4.12%から上昇し1年前の水準に並んだ。2013年5月以来の低水準を示した1月30日週の 3.79%から、上振れした水準を保つ。15年固定金利型(平均)も前週の3.35%から3.40%へ上昇。FHAのローン金利は3.87%となり、前週の3.90%を上回った。

申請全体に占める借換の割合は58.6%と、前週の59.8%から若干低下した。2009年6月以来の低水準となった7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持している。ただし、2013年5月以来の高水準となった1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。

MBAのマイケル・フラタントーニ主席エコノミストは、結果を受け「金利上昇にも関わらず、上向いた」と評価した。

——住宅ローン申請指数は新規が押し上げて反発したとはいえ、引き続き住宅ローン貸出基準は厳格な状況です。住宅ローン関連調査会社エリー・メイによると、住宅購入を完了した買い手のFICOベースでの信用スコア平均は755点であり、平均値から30ポイント近くも高いんですよね。10月発表分のシニア融資担当者調査では68行中6行が「家計向け貸出基準を幾分、厳格化した」と回答し、前年同期の76行中ゼロから増加していました。利上げ前に消費者は住宅購入に急いだ兆しが見える一方、銀行は信用を絞り始めつつあります。米11月NAHB住宅市場指数の低下は、その現れでしょうか。

(カバー写真:USDA/Flicr)

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