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米11月住宅着工件数、一戸建てと複合そろって増加

by • December 17, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2693

Housing Starts Bounce Back In November.

米11月住宅着工件数は年率117.3万件となり、市場予想の113.0万件より弱い結果となった。大寒波に泣いた3月以来の低水準となる前月の106.2万件(106.0万件から上方修正)を10.5%上回った。

内訳をみると、前月に足を引っ張った複合住宅が前月比16.4%増の40.5万件となりヘッドラインに寄与。一戸建ても7.6%増の76.8万件と、増加に反転した。前年比での住宅着工件数は16.5%増となり、7ヵ月ぶりのマイナスに落ち込んだ前月の1.6%減から増加に切り返している。一戸建てが14.6%増と前月の1.3%増から大きく改善し、8ヵ月連続で増加。複合住宅も前月の7.0%減とから20.2%増と目覚ましい回復を遂げている。

4大地域別では、2地域で増加。前月の3地域から減少した。今回は北東部が10.2%増の14.0万件と2ヵ月連続で2桁減を示す。中西部も15.0%増の16.1万件と、増加に反転。一方で南部は18.6%減の50.6万件と、5ヵ月ぶりに減少した。減少率は2014年11月以来で最大を記録している。西部も16.2%減の25.3万件となり、減少に反転。ただし西部は複数が弱かった程度で、一戸建でのみの場合は2ヵ月連続で増加していた。

米11月建設許可件数は128.9万件となり、市場予想の113.0万件を超えた。前月の116.1万件(115.0万件から上方修正)を超え、5ヵ月ぶりの高水準を達成した。

内訳をみると、複合住宅が26.9%増の56.6万件と5ヵ月ぶりの高水準を示した。一戸建ても1.1%増の72.3万件で、2ヵ月連続で増加している。建設許可件数の前年比は19.5%増と、前月の2.7%増(速報値)から伸びを加速させた。12ヵ月続けてプラスを示す。一戸建てが9.0%増だったほか、複合住宅に至っては36.1%増もの急伸を記録した。

住宅着工件数、リセッション前の水準回復は遠い。
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(出所:My Big Apple NY)

米11月建設中件数は前月比2.2%増の96.5万件となった。増加トレンドを維持するなか、件数ベースでは少なくとも2009年以来の高水準を達成。一戸建てが2.5%増の41.6万件と9ヵ月連続で増加したほか、賃貸需要を背景に複合住宅も2.0%増の54.9万件と15ヵ月連続で増えた。

モルガン・スタンレーのテッド・ウィーズマン米エコノミストは、結果を受けて「10-12月期の住宅投資を前期比年率9.2%増」とし従来予想の7.5%増から引き上げた。同GDP見通しも「従来の0.9%増から1.0%増」へ上方修正している。複合住宅をめぐっては「年初来で36%増加し、80年代半ば以来の高水準」と指摘。年間130万世帯が形成されている上、厳格な住宅ローン審査基準もあって複合住宅の需要は今後も全体を押し上げる可能性を示唆した。

——米11月住宅着工件数・一戸建てのうち75%が販売目的とされるため、54.2万件が住宅市場に流れ込む見通しです。新築住宅販売件数の水準を踏まえれば在庫に余裕が出てくる可能性が横たわるものの、値ごろ感から需要を引き出す可能性もくすぶりますね。

(カバー写真:Terry McCombs/Flickr)

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