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米11月鉱工業生産、自動車や公益が押し下げ2012年以来の低水準

by • December 17, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2734

Industrial Output Tumbles To The Lowest Since 2012 As Auto Weighs.

米11月鉱工業生産指数は前月比0.6%低下し、市場予想の0.2%より下げ幅を広げた。前月の0.4%(0.2%から下方修正)と合わせ、2ヵ月連続で低下している。2014年11月以来の高水準だった7月、横ばいだった6月を除き年初来からのマイナス基調をたどっただけでなく、2012年3月以来で最低に。稼働率は77.0%と、市場予想の77.4%に届かず。リセッション前の80%回復が一段と遠のいた。

内訳をみると、製造業が横ばいに反転。新車販売台数が好調だったものの、自動車が製造業を押し下げた。自動車を除いた製造業は0.1%増と前月に続き増加している。自動車以外で際立って弱含んだのは公益で、平年を上回る気温を背景に暖房需要が落ち込んだ。鋼業は原油安を背景に、3ヵ月連続で低下した。

・製造業 ±0%<前月は0.3%の上昇
自動車 1.0%の低下<前月は1.2%の上昇
コンピューター/電気製品 0.7%の上昇>前月は0.3%の上昇
機械 0.1%の上昇>前月は0.4%の低下

・公益 4.3%の低下、2ヵ月連続でマイナス<前月は2.8%の低下
電力 3.7%の低下、2ヵ月連続でマイナス<前月は3.5%の低下
天然ガス 9.6%の低下<前月は3.2%の上昇

・鋼業 1.1%の低下>前月は2.4%の上昇

鉱工業生産は、前年比は2009年以来のマイナスに突入。
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(出所:FRBより作成、My Big Apple NY)

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「予想外に落ち込んだ公益により光熱費の負担が低下し個人消費の伸びが縮小する」と予想した。その上で米10-12月期国内総生産(GDP)予想を「従来の1.8%増から1.7%増」へ下方修正。ドル高に加え原油先物が改めて2009年2月以来の安値へ突っ込んだこともあり、製造業の生産活動は「当方の予想通り、あらためて鈍化していく」と見込んだ。

——米12月NY連銀製造業景況指数が悪化を免れたとはいえ分岐点割れを維持し、米12月マークイット製造業PMI速報値が下振れしたように製造業活動はなかなか好転の兆しが見えません。Fedの利上げでドル高が加速すれば、一段の下押しが予想されます。

(カバー写真:poolle/Flickr)

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