Mortgage Applications Surge Right After FOMC’s Decision.
MBA住宅ローン申請件数指数と、米10月FHFA住宅価格指数をおさらいしていきます。
全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、12月18日週に前週比7.3%上昇し450.0だった。前週から上昇に反転している。新規が4.1%上昇の230.8と前週の2.8%の低下を完全に打ち消し、借換に至っては10.8%上昇の1764.0と3週連続で上向いた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が2006年6月以来の利上げに踏み切ったため、金利上昇前の駆け込み需要を反映したようだ。前年比(季節調整前)は、全体で22.3%と前週の14.6%から上げ幅を拡大。新規も37.1%と前週の33.7%を超えたほか、借換も14.9%と前週の4.9%から加速した。
30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は前週まで2週連続で4.14%を経て、今週は4.16%だった。1年前の水準である4.02%を超えており、7月以来の高水準近くを保つ。2013年5月以来の低水準を示した1月30日週の 3.79%から、上振れしたままだ。15年固定金利型(平均)は前週の3.39%から3.45%へ急伸。FHAのローン金利は3.92%と、前週の3.90%を上回った。
申請全体に占める借換の割合は62.8%と、前週の60.7%から上昇した。2009年6月以来の低水準となった7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持している。ただし、2013年5月以来の高水準となった1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。
▽米10月住宅価格指数、10ヵ月連続で上昇
米住宅金融公社(FHFA)が発表した米10月住宅価格指数は前月比0.5%となり、市場予想に並んだ。前月の0.7%(0.8%から下方修正)を下回ったとはいえ、10ヵ月連続でプラスを示す。前年比では6.1%上昇し、前月の5.5%超え。足元で最低だった8月の5.1%から改善をたどった。国勢調査ベースの9地域別では7地域で上昇、前月の8地域から減少した。
なおこの住宅価格指数は、米連邦住宅貸付機関監督局(OFHEO)傘下のFHFAの場合はプライム層向けの住宅価格がメインで、融資額が政府保証機関(GSE)の買取基準額を超えるジャンボローンや、低所得者層向けのサブプライムを含んでいない。従ってS&Pケース/シラー住宅価格指数とは対象が異なり、数字自体は現状より強めの数字が出ると言われている。こうした背景からFHFAは2011年6月分から、フレディマックやファニーメイなどGSE以外のローンを含んだ住宅価格指数を拡大版として、公表を開始した。
――MBA住宅ローン申請件数指数は、新規はもちろん借換が押し上げており利上げ警戒からの駆け込み需要が反映された匂いがプンプンしますね。住宅価格の上昇は、9月に利上げを見送った後に需要が回復した動きにつれたものなのでしょうか。いずれにしても、12月に利上げを開始した後で住宅市場が堅調を維持できるのか注目です。12月FOMCは年4回、1回置きの利上げを想定していますが2~3回へ縮小すれば、金利伸び悩みを手掛かりに支えられそうですね。
(カバー写真:Brandon Blahnik/Flickr)
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