Manufacturing Sentiment Ended 2015 With Downbeat.
ISMやマークイットが発表した12月の製造業景況指数をおさらいしていきます。
米12月ISM製造業景況指数は48.2となり、市場予想の49を下回った。前月の48.6に続き、2009年6月以来の水準へ沈んだ。6ヵ月平均は50.2と、前月の51.0から低下している。内訳は以下の通りで、新規受注や生産が前月から下げ幅を縮小しつつ引き続き分岐点を割り込んだだけでなく、雇用も50以下にとどまった。ただし新規輸出受注は分岐点を回復している。詳細は、以下の通り。
・新規受注 49.2>前月は48.9と約3年ぶり低水準、6ヵ月平均は51.6
・生産 49.8>前月は49.2で2012年8月以来の低水準、6ヵ月平均は52.2
・雇用 48.1<前月は51.3で分岐点を回復、6ヵ月平均は50.2
・在庫 43.5、6ヵ月連続で分岐点割れ>前月は43.0、6ヵ月平均は48.2
・新規輸出受注 51.0、7ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月は47.5、6ヵ月平均は47.8
・仕入れ価格 33.5、2009年4月以来の最低で分岐点割れを継続<前月は35.5、6ヵ月平均は38.2
・入荷時間 50.3、5ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は50.6、6ヵ月平均は50.2
・受注残 41.0、7ヵ月連続で分岐点割れ<前月は43.0、6ヵ月平均は42.8
BNPパリバのローラ・ロスナー米エコノミストは、今回の結果につき「18業種のうち6業種が拡大を報告した」と指摘、11月の5業種から増加したという。もっとも「目新しい材料に乏しく、商品先物の下落をはじめドル高、過剰在庫、世界的な需要鈍化という実態をあらためて浮かび上がらせたに過ぎない」と結んだ。
ISM製造業景況指数と各連銀景況指数、12月の結果はご覧の通り。
(出所:My Big Apple NY)
▽米12月マークイット製造業PMI・確報値、下方修正し約3年ぶり低水準
米12月マークイット製造業PMI・確報値は51.3となり、市場予想の52.6を下回った。前月の52.8からも減速。2012年10月以来の水準へ落ち込んでいる。内訳をみると、生産が前月の2013年10月以来の弱含みをみせ、新規受注に至っては2009年9月以来の水準へ落ち込んだ。
マークイット製造業PMI、明確な低下トレンドに
(出所:Markit)
マークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「2015年の締めくくりは失望に終わり、新年も向かい風が続く可能性を示した」と指摘。製造業の受注動向は金融危機以来の困難な状況を報告するなか停滞気味で「ドル高に加え国内でも安価な輸入商品が出回っており競争に直面している」という。原油安も「エネルギー関連の需要を低下させ」、さらに「消費者は利上げに伴い支出に慎重寄りへ移ってきている」。こうした影響が製造業活動に打撃を与え続け、「数ヵ月以内に一段と激しさを増す場合もある」と悲観的な見方をにじませた。
——米ISM製造業景況指数は景気後退の終焉を迎えた2009年6月以来の水準へ沈み、2015年の幕を閉じました。米12月マークイット製造業PMI・確報値も下方修正され、製造業は各連銀の製造業景況指数を含め2勝6敗。米11月建設支出もさえず、個人消費を除いた10-12月期の民間支出に黄信号が点りつつあります。
(カバー写真:kenmainr/Flickr)
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