Michigan Consumer Confidence Revised Down As Outlook Weighed.
米1月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は92.0と、2015年6月以来の高水準をつけた速報値の93.3から下方修正された。市場予想の93.0に届かず、前月の92.6からも低下。内訳をみると、見通し指数は82.7と2015年12月の水準に並び、速報値の85.7から引き下げられた。現況指数は106.4と速報値の105.1から上方修正。もっとも、6ヵ月ぶりの高水準を達成した前月の108.1には及んでいない。
原油先物が2003年以来の水準へ下落したものの、インフレ見通しは1年先につき2.5%と2010年9月以来の低水準だった速報値の2.4%を上回った。5−10年先は速報値通り2.7%で、4ヵ月ぶりの高水準を回復した。
ミシガン大学のエコノミスト、リチャード・カーティン氏は、今回の結果を受け「米株安による家計資産の低下や経済見通しへの後退を反映し下方修正された」と振り返る。直近のピークをつけた2015年1月のピークから6.3%低下しており、米経済は減速に直面する公算が大きいとしつつ「景気後退入りを意味しない」と指摘。むしろ物価上昇が賃金の伸びを超える可能性をにらみ、「消費者の見通しを阻害させ見通しの低下につながった」とまとめた。
信頼感指数、現況と見通しそろって頭打ち感はぬぐえず。
(作成:My Big Apple NY)
・1年先の家計見通し指数 124=速報値は124、前月は124
向上する 36、3ヵぶり高水準=速報値は36で3ヵぶり高水準、前月は36
変わらず 49<速報値は50と直近で最高、前月は57
悪化する 12=速報値は12、前月は9
・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数 82<速報値は84で直近にて最高、前月は82
所得の伸びが物価を上回る 23<前月は25と直近で最高、前月は23
所得の伸び率と物価が同じ 35>速報値は34、前月は35
所得の伸びが物価を下回る 41、直近で最低=速報値は41、前月は41
・1年先のビジネス見通し指数 104<速報値は105と6ヵ月ぶり高水準、前月は103
向上する 24、6ヵ月ぶり高水準=速報値は24、前月は21
変わらず 51<速報値は53、前月は58
悪化する 20>速報値は19、前月は18
・1年先の失業率見通し指数 89、直近で最低<速報値93、前月は96
低下する 18、直近で最低<速報値は20、前月は21
変わらず 52、3ヵ月ぶり低水準=速報値は52、前月は53
上昇する 29>速報値は27、3ヵ月ぶり高水準、前月は25
・1年先の金利見通し指数 39=速報値は39、前月は35にて直近で最低(低下を見込む場合に指数は上昇)
低下する 7、7ヵ月ぶり高水準<前月は4、直近で最低
変わらず 24、直近で最低<速報値は22、前月は26
上昇する 68、3ヵ月ぶり低水準<速報値は69、前月は69
・自動車購入指数 152で<速報値は154、直近で最高、前月は141
買い時 74、直近で最高>前月は69
分からない 6>前月は3
買い時ではない 20、直近で最低<前月は28
・住宅購入指数 158>速報値は157、前月は156
買い時 78>速報値は77、前月は77
分からない 2<速報値は3、前月は2
買い時ではない 20=速報値は20、前月は21
——米1月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は、以下の興味深い点が浮き彫りとなりました。
1)失業率見通しに対する楽観度が低下
2)原油下振れ後も1年先のインフレ見通し悪化にブレーキ
3)インフレ見通しの低下一服に合わせ、賃金伸び率への楽観度後退
4)自動車購入意欲は低下、住宅購入意欲は若干上昇
原油先物が戻り局面だったせいかインフレ見通しが上向いたとみられ、所得への期待値は下がってしまっています。追い打ちを掛けるように株安が進み、センチメントを損ねてしまったのでしょう。注目は、自動車購入意欲の減退と住宅購入意欲の高まり。Fedの利上げ後にサブプライム層の自動車ローン融資基準が厳格化しつつあるのか、住宅購入は金利低下に支えられて需要を押し上げたのか。住宅需要が意外に落ち込まなかった点は、心強いですね。
▽米1月シカゴPMI、新規受注と生産が牽引し1年ぶりの高水準
米1月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は55.6となり、市場予想の45.3から格段に改善した。前月の42.9も軽々と超え、1年ぶりの高水準。内訳をみると、新規受注が前月の38.6から58.8へ急伸したほか、生産も前月の46.6から62.5へ加速した。雇用は48.4と前月の46.4を上回ったとはいえ、分岐点割れを維持した。
――シカゴPMIは製造業活動のみではなく、サービス活動が含まれます。暖冬により中西部での積雪量が平年以下にとどまったためか、見事な跳躍をみせました。各連銀製造業活動指数と一線を画し、マークイット製造業PMIと同じく改善を遂げましたが、継続して上向くか見極めが必要です。
(カバー写真:elysiumcore/Flickr)
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