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米12月個人消費は横ばい、貯蓄率は3年ぶりの高水準

by • February 2, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1308

Personal Spending Flat While Saving Rate At 3-Year High.

米12月個人消費支出は前月比±0%となり、市場予想の0.1%増を下回った。前月の0.5%増(0.3%増から上方修正)を下回り、10月に続いて横ばいにとどまる。消費の内訳は、以下の通り。

・耐久財 0.85%減、前月の1.47%増から反転
・非耐久財 0.86%減、前月の0.29%増から減少に反転
・サービス 0.40%増、前月の0.38%増を含めプラス基調を維持

耐久財は新車販売台数の鈍化を背景に減少し、耐久財はガソリン価格の下落に押し下げられた。サービスは暖房をはじめ電力消費が低迷したものの、ホリデー商戦の最中に増加トレンドを維持した。

個人消費とともに、個人所得の伸びも決して強いとは言えず。
personalspending
(作成:My Big Apple NY)

米12月個人所得は11月に続き前月比0.3%増となり、市場予想の0.2%増を上回った。12ヵ月連続で増加している。可処分所得も0.3%増と、前月の0.2%増を超えた。貯蓄率は所得が増加した一方で支出が横ばいだったため10月に続き5.5%で、11月の5.3%から上昇し2012年12月以来の高水準を示す。

所得の内訳は、以下の通り。

・賃金/所得 0.2%増、前月の0.5%増を含め増加トレンドを維持(民間が0.2%増と前月の0.5%増から鈍化も増加基調をキープ、特にサービスが0.4%増と全体を支えた。ただしエネルギー関連を含む財生産業が0.8%減と、前月の1.2%増から大幅減に反転。製造業も1.4%減と前月分の増加を相殺した。)
・不動産収入 1.0%増、前月の0.1%減から反転(農場が0.4%減と3ヵ月連続で減少したものの、非農場が1.0%増と大幅増に反転)
・家賃収入 0.5%増、前月の0.4%増に続き22ヵ月連続で増加
・資産収入 0.4%減、3ヵ月連続で減少(配当が±0%だったが、金利収入が0.7%減と3ヵ月連続で減少)
・社会福祉 0.7%増、前月の0.3%増と合わせ3ヵ月連続で増加(メディケイド=低所得者層向け医療保険が0.6%増と8ヵ月連続で増加、メディケア=高所得者向け医療保険は0.5%増と増加トレンドを維持)
・社会補助 0.3%増、前月の0.3%増を含め上回りつつ少なくとも13ヵ月連続で増加

米12月個人消費支出(PCE)デフレーターは前月比0.1%低下し、市場予想の±0%以下に。前月の0.1%(±0%から上方修正)にも、届いていない。前年比は市場予想通り0.6%上昇し前月の0.4%を超え、ベース効果剥落により年初来で最高の伸びを遂げている。コアPCEデフレーターは前月比±0%上昇し、前月の0.2%(0.1%から上方修正)はもちろん市場予想の0.1%以下に収まった。前年比は1.4%上昇し、市場予想並びに1.3%から上方修正された前月に並ぶ。ただPCEデフレーターとコアPCEともに、米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標値「2%」からかい離した水準を維持し、「2%」割れはそろって2012年5月以来となる。

大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、結果を受け「個人事業主の所得が0.9%増と牽引し賃金・給与を押し上げていた」と振り返り、財生産業が低下した通り賃上げ傾向が見て取れないとの考えを示唆した。

——米10-12月期GDP速報値で個人消費が鈍化した通り、支出はさえません。貯蓄率が上昇したため消費ののりしろが広がるものの、世界同時株安で資産効果が剥落し景気減速に配慮すれば支出が拡大するかは不透明。

(カバー写真:Ian Freimuth/Flickr)

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