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Fed、ストレステストにマイナス金利シナリオ追加―日銀の決定前

by • February 3, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off3526

Fed Asks Banks To Test Negative Rates.

日銀が階層別のマイナス金利導入後、某有名エコノミストは「11月の会合で追加利下げし、マイナス金利はいずれ1%に達するのではないか」と大胆に予想していました。それに伴い

企業は例えばコマーシャル・ペーパーをマイナス金利で発行し、調達した資金を銀行に預けると考えられます。銀行の貸出金利を下押しするだけに「収益悪化が予想されるため、銀行は預金者である大口の法人や個人に求めていく」シナリオが濃厚になったと言える。そんなお話を伺ってから数日後、三菱東京UFJ銀行は法人顧客への口座手数料を求める方向で検討中と伝えられ、筆者自身驚いたものです。

欧州中央銀行(ECB)スイス、デンマーク、スウェーデンに続きマイナス金利を導入した日銀ですが、日銀の決定直前にあたる1月28日に米連邦準備制度理事会(FRB)は重要な発表を行っていました。総資産500億ドル以上の33行に対するストレステストに、このような内容が盛り込まれるといいます。

「For the 2016 cycle, the severely adverse scenario is characterized by a severe global recession in which the U.S. unemployment rate rises five percentage points to 10 percent, accompanied by a heightened period of corporate financial stress and negative yields for short-term U.S. Treasury securities.

2016年の深刻なシナリオというのは世界経済が景気後退に陥り、失業率が5%から10%へ急伸し、かつ企業財務に緊張が高まり、米短期債がマイナス金利に振れるような事態が発生する場合としています。

1月26~27日開催のFOMC直前にCNBCがウォールストリート関係者に実施したFedサーベイでは、マイナス金利の予想はゼロでした。しかし、フィッシャーFRB副議長は1日の講演で「マイナス金利は私の想定以上に利いている」と発言。2015年11月にはイエレンFRB議長その人が景気悪化局面でマイナス金利が「選択肢にある」と明言し、同年12月のFOMC後の記者会見でも「必要であれば検討する」と述べています。同年9月FOMC後の記者会見では「(マイナス金利導をめぐり)本日、真剣に議論する話題では全くなかった」と応じたものの、予想外に経済が下振れすれば「あらゆる手段を講じる」とも付け加え、ヘッジを掛けていました。前任のバーナンキ氏がマイナス金利支持者であることは、周知の通りです。

なお2015年のFOMC議事録で、マイナス金利が政策手段として挙がった様子は見受けられません。1月から4月までロンドン間銀行貸出金利(LIBOR)や独債におけるマイナス金利に言及した程度で、12月には景気にネガティブな影響が及んだ場合は金利を低水準に抑えると表現していました。

約4兆ドルとも言われるマネー・マーケット・ファンド市場への影響が懸念されるところではありますが、Fedは「マイナス金利」を含めた武器弾薬を備えているもようです。Never Say Neverとは、まさにこのためにあるような言葉ですね。

(カバー写真:FRB/Flickr)

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