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スウェーデンもマイナス金利導入、欧州で3例目

by • February 12, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off4000

Sweden Joins The Group Of Central Banks Which Adopt Negative Interest Rates.

スウェーデンの中央銀行、リクスバンクまで世界金融緩和ラッシュに参入してきました。しかもスイス、デンマークに続きマイナス金利導入を決断しております。中銀預金金利のマイナス金利でいえばデンマークやスイス、欧州中央銀行(ECB)に並ぶ措置となります。

リクスバンクは、政策金利であるレポ金利を0%から10bp引き下げマイナス0.1%に引き下げました。市場予想は一部で据え置き、少数派はマイナス0.25%の引き下を見込んでいたといいます。2014年12月で非従来型の政策導入のシグナルを送っていたように、量的緩和(QE)との合わせ技を用いました。100億スウェーデンクローナ(約12億ドル、約1430億円)規模の国債買い入れに踏み切ると発表。対象は1年以上および最長5年程度の物価連動債を除く国債で、買い入れは「まもなく」開始する方針を明らかにしています。

声明では「一連の措置が示すようにリクスバンクは緊急会合でも行動できるよう準備を整え、インフレ目標値が物価と賃金を設定する上で固定役たるべき役割を守っていく」との見解を表明。一段の追加緩和を辞さないスタンスを打ち出しており、「インフレが目標値2%へ向かって上昇するように、必要であればさらなる緩和策を評価していく」とも明記しています。

レポ金利の見通しは「2016年4−6月期まで据え置く」とし、2016年に利上げを見込んでいた前回から下方修正していました。中銀は利下げに合わせ、預金金利に相当するファインチューニング・トランスアクションに適用する金利をレポ金利に対し±0.1%ポイントに設定。最大でマイナス0.2%へ引き下げることになり、ECBに並びます。スイスとデンマークはマイナス0.75%です。

今回の経済・金利見通し
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2014年12月の経済・金利見通し
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(出所:Riksbank)

2月版のレポ金利見通し

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2014年12月版のレポ金利見通し

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決定を受け、BNPパリバのエコノミストであるコリン・バーミンガム氏は「QEの規模は10億ユーロを超える程度で、象徴的な意味合いが強い」と指摘。緩和バイアスを色濃くにじませるように、規模を拡大して行く可能性があると予想しています。また「銀行による企業への融資拡大を支援プログラムを導入する場合もありうる」との見方も示しました。その他のエコノミストも「QEへの扉を開いたに過ぎない」とのコメントを寄せており、新たな領域に船出したリクスバンクの舵取りが試されます。

(カバー写真:Reuters)

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