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米1月中古住宅販売件数、07年以来で2番目の高水準

by • February 24, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1823

Existing Home Sales Posts Second Highest Since 2007.

全米リアルター協会(NAR)が発表した米1月中古住宅販売件数は年率547万と、市場予想の533万件を上回った。前月の545万件(546万件から下方修正)を0.4%上回り2007年以来の高水準だった2015年7月の548万件に接近している。前年比では11.0%増となり、2013 年7月以来で最大に。2ヵ月連続でプラスを示した。

内訳をみると、一戸建てが前月比1.0%増の486万件と2ヵ月連続で増加した。複合住宅は4.7%減の61万件と、減少に転じている。

4大地域別では、2地域で増加。前月は全て増加していた。今回は積雪に見舞われたものの、平年を上回る気温に恵まれた影響もあって北東部が2.7%増の76万件で、中西部も4.0%増の13万件となり、北東部とともに2ヵ月連続で増加した。一方で、石油生産地を抱える南部は±0%の224万件と、前月の12.6%増から横ばいに。西部は4.1%減の117万件となり、前月の16.2%増から減少に転じた。

在庫件数は、前月比3.4%増の182万件と6ヵ月ぶりに増加した。在庫件数の伸びが販売件数を上回ったため、在庫相当は前月の3.9ヵ月から4.0ヵ月へ延びている。中央価格は前年比で8.2%上昇の21.38万ドル。前月比では4.2%下落し3ヵ月ぶりにマイナスへ転じた。売り出し平均期間は64日と前月の58日から延び、前年同月の69日に近づいた。

買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件 9%>前月は8%、前年同月は11%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 2%=前月は2%、前年同月は3%
・差し押さえとショートセールを合わせた不良債権物件 8%<前月は9%、前年同月は11%
・新規購入者 32%、5ヵ月ぶり高水準=前月は32%、前年同月は28%
・現金での購入者 26%、直近で最高>前月は24%、前年同月は28%
・住居用ではなく投資向け 17%>前月は15%、前年同月は17%

中古住宅販売件数、今回は一戸建てが牽引。

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(作成:My Big Apple NY)

発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、結果を受け「2016年は幸先良くスタートし、2015年7月以来の高水準だった」と振り返る。世界経済減速への懸念が高まるものの、金利低下もあって住宅市場は底堅く「米経済の景気後退入りを回避させるだろう」と予想。もっとも、「供給不足から、一部の地域で未だに価格上昇率の伸びが著しい」とも付け加え、値上がりの激しい地域が販売動向の足を引っ張る可能性を示した。

▽米12月S&P/ケースシラー住宅価格指数、予想上回るも鈍化

米12月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整前、20都市別)は前年同月比5.74%上昇の182.75となり、市場予想の5.69%を上回った。伸び率は2014年7月以来の高水準だった前月の5.74%(5.83%から下方修正)以下にとどまる。2年7ヵ月連続でプラス圏を保ちつつ、2013年2月以来の10%割れは維持した。季節調整済み・20都市別の前月比は0.80%の上昇と市場予想の0.85%に届かず。前月の0.96%(0.94%から上方修正)を下回ったが、4ヵ月連続で上昇した。

季節調整済みでは、19都市で上昇。前月まで続いた全地域上昇のトレンドにブレーキを掛けた。上昇率トップはワシントン州シアトルで1.47%上昇、2位は前月と同じくミシガン州デトロイトで1.37%上昇、3位はフロリダ州タンパで1.35%上昇した。最下位は0.04%の低下を示したフロリダ州マイアミで、次いでワシントンDCで0.46%の上昇、3位はマサチューセッツ州ボストンの0.47%の上昇で、東海岸沿いの都市がそろった。

発表元のS&Pダウ・ジョーンズ・インデシーズのデビッド・ビルザー会長は、結果に対し「フロリダ州マイアミは下落し、10都市では前月より伸びが鈍化した」と振り返る。前年比でも「7都市で、減速を確認した」と指摘。年初からの世界同時株安で成長への懸念が高まるものの「住宅価格の値上がりはコア消費者物価指数の前年比での上昇率を超えているため、住宅建設を促し成長を支えていく」との見通しを示した。

――NARのユン米エコノミストやS&Pダウ・ジョーンズ・インデシーズのビルザー会長もそろって楽観的です。米1月雇用統計で非農業部門就労者(NFP)が鈍化したとはいえ、賃金の上昇に加速の兆しが現れていたのは好材料。ただ、MBA住宅ローン申請件数指数で新規が伸び悩みをみせます。改善をたどってきた世帯形成率も2015年12月に前年同月比88.0万世帯の増加と2015年平均の172世帯の増加から伸びが鈍化しており、足元の金利低下が販売件数の加速を促すかは微妙な情勢です。

(カバー写真:Kat Sniffen/Flickr)

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