New Home Sales Modestly Increase In February.
米2月新築住宅販売件数と、MBA住宅ローン申請件数指数をおさらいしていきます。
米2月新築住宅販売件数は年率51.2万件と、市場予想の51.0万件とほぼ変わらなかった。前月の50.2万件(49.4万件から上方修正)を2.1%増上回る。ただ増加率で2014年8月以来にて最大、件数ベースでは2008年2月以来の高水準を遂げた2015年12月の54.4万件に距離を残した。なお2015年ベースでの平均値は前年比13.8%増の50.3万件で、2007年以来の高水準を果たした。
4大地域別では、前月比にて1地域のみ増加。1月の2地域から減少した。今回は西部が38.5%増の15.1万件と前月分の減少を相殺しつつ全体を引っ張った程度で、他は軒並み減少いている。その他はそろって弱く、北東部が24.2%減の2.5万件、南部も4.1%減の28.1万件と減少に転じた。中西部も17.9%減の5.5万件と2ヵ月連続で減少した。
在庫総数は前月比1.7%増の24.0万件となり、景気回復サイクルで最高を示す。販売件数も伸びたため、在庫相当は5.6ヵ月と前月と変わらずだった。
中央価格は30.14万ドルと前年比では17.6%上昇し、1月の下落率を完全に打ち消した。前月比では6.2%上昇し、3ヵ月ぶりの上昇に転じている。過去最高を遂げた2015年9月の30.76万ドルに、一歩近づいた。
新築住宅販売件数、直近は調整していた価格が盛り返す。
JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果に対し「1-2月期の新築住宅販売件数は2015年10-12月期の水準以下」と指摘した。もっとも、米2月中古住宅販売件数がさえなかったとはいえ、住宅市場のシェアが大きい中古住宅自体は高水準にあり「仲介料などが支えとなり住宅投資は底堅さを示すだろう」と見込む。
▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利低下でも2週連続で低下
全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、3月18日週に前週比3.3%低下し465.2だった。2週続けて、低下している。特に借換が4.9%低下の1845.4と、5週連続でマイナスに。新規も1.0%低下の224.0と、3週ぶりにマイナスへ転じた。米連邦公開市場委員会(FOMC)後、堅調な経済指標を確認し、4月あるいは6月の利上げ警戒が再燃し、潜在的な買い手は状況を見極めに入ったとみられる。MBA住宅ローン申請件数指数の前年比(季節調整前)は7.3%上昇し、前週の20.9%上昇から伸びを鈍化させた。新規が25.3%の上昇(前週は32.6%)、借換も9.6%の上昇(前週は12.8%上昇)から伸びを縮小した。
30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は3.93%と、前週の3.94%から小幅に低下した。もっとも、1年前の水準より上昇した水準を迎えている。15年固定金利型(平均)は前週の3.22%から3.18%へ低下。FHAのローン金利も3.85%と、前週の3.86%を下回った。
申請全体に占める借換の割合は53.9%と、前週の55.0%から低下した。2009年6月以来の低水準となった2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。ただし2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。
――米2月新築住宅販売件数は、米2月住宅着工件数でみた販売向け一戸建て数を大きく下回り、在庫増加による値下がりの期待を募らせます。ただ、米2月中古住宅販売件数が減少したように需要が勢いよく伸びるかは不透明。MBA住宅ローン申請件数指数もさえず、Fedの政策を見据え金利動向に敏感になりかねません。
(カバー写真:Kansas Sebastian/Flickr)
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