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米3月住宅着工件数、予想外の大幅減で2015年5月以来の低水準

by • April 20, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2253

Housing Starts Fall To Lowest In A Year, Building Permits Also Decrease.

米3月住宅着工件数は年率108.9万件となり、市場予想の116.6万件より弱い結果となった。前月の119.4万件(117.8万件から上方修正)を8.8%下回る。着工件数としては、2015年5月以来の水準へ落ち込んだ

内訳をみると、一戸建てが前月比9.2%減の76.4万件と3ヵ月ぶりに減少し、3ヵ月ぶりの低水準だった。複合住宅は7.9%減の32.5万件となり過去6ヵ月で3回目の減少、直近で最低を示す。前年比での住宅着工件数は14.2%増となり、前月の32.7%増から減速。一戸建てが22.6%増と前月の40.2%増から伸びを半減させたほか、複合住宅に至っては1.3%減と前月の17.7%増から転じ再びマイナス圏へ沈んだ。

4大地域別では、1地域のみ増加し前月の3地域から減少した。今回は2月と正反対で北東部のみ増加、61.3%増の12.1万件(過去6ヵ月間で3回目の増加)となり直近最低を記録した前月の7.5万件から回復を果たした。一方で中西部は25.4%減の15.0万件(過去6ヵ月間で4回目の減少)、西部は15.1%減の26.3万件(過去6ヵ月間で3回目の減少)と直近で最高に達したほか、石油関連企業が集まる南部も8.4%減の55.5万件(過去6ヵ月間で3回目の減少)と、3ヵ月ぶりに増加した。

米3月建設許可件数は108.6万件となり、市場予想の120.0万件に遠く及ばなかった。前月の117.7万件(116.7万件から上方修正)を7.7%下回り、2ヵ月連続で減少している。内訳をみると、複合住宅が18.6%減の35.9万件と2ヵ月連続で減少し直近で最低を更新、ヘッドラインを押し下げた。一戸建ては1.2%減の72.7万件と前月の増加を打ち消し、件数としては4ヵ月ぶり低水準に並んだ。建設許可件数の前年比は4.6%増と、速報値ベースの前月の6.3%増とから鈍化しつつ16ヵ月続けてプラスを示す。一戸建てが13.2%増(前月の速報値は16.8%増)と緩み、複合住宅も18.6%減(前月の速報値は7.6%減)と下げ幅を広げた。

米3月建設中件数は前月比0.5%増の99.0万件となった。2ヵ月連続で増加し、件数ベースでは少なくとも2008年4月以来の100万件乗せが迫る。一戸建てが0.2%増の42.8万件と13ヵ月連続で増加したほか、複合住宅も0.7%増の56.2万件と2ヵ月連続で増加した。

住宅着工件数、建設許可件数はそろって減少。

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(作成:My Big Apple NY)

大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、結果を受けて「一戸建ては激しい落ち込みをみせたものの、直近で上振れしていた」と振り返る。過去2ヵ月分も「合わせて0.6%の上方修正である」とした上で、「過去1年間のレンジ上限近くにある」と指摘。ただ建設許可件数での複合住宅の弱さは、「力強い回復の後の鈍化を示唆する」とも付け加えた。

――米3月住宅着工件数・一戸建てのうち75%が販売目的とされるため、57.3万件が住宅市場に流れ込む見通しです。米2月新築住宅販売件数に程遠い水準で、引き続き在庫ひっ迫解消による住宅価格の鈍化期待を煽ります。米4月NAHB住宅市場指数こそ3ヵ月連続で横ばいながら内訳にある見込み客指数や見通しは上向いており、金利低下に支えられ住宅需要が喚起される余地も。あとは労働市場が問題で、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値でも購入見通しや労働市場に楽観的な見方が後退している点は気掛かりです。

(カバー写真:Bryan Siders/Flickr)

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