Existing Home Sales Achieves Healthy Rebound.
米3月中古住宅販売件数と、MBA住宅ローン申請件数指数をおさらいしていきます。
全米リアルター協会(NAR)が発表した米3月中古住宅販売件数は年率533万件と、市場予想の528万件を上回った。前月の507万件から5.1%増加し、2007年以来の高水準だった2015年7月の548万件を視野に入れている。前年比では1.5%増となり、前月の2.2%増から伸びを鈍化させつつ4ヵ月連続でプラスを示した。
内訳をみると、一戸建てが前月比5.5%増の476万件と増加に転じ、複合住宅も1.8%増の57万件と3ヵ月ぶりに好転した。
4大地域別では、全て増加し2月と正反対の動きを示した。今回は、平年を上回る気温に恵まれ北東部が11.1%増の70万件と伸びを牽引し、中西部も9.8%増の123万件とそれぞれ反発。西部は2.7%増の115万件と、3ヵ月ぶりに増加した。石油生産地を抱える南部は2.7%増の225万件で、増加に転じている。
在庫件数は、前月比5.9%増の198万件と3ヵ月連続で増加した。販売件数の伸びを在庫件数が上回ったため、在庫相当は前月の4.4ヵ月から4.5ヵ月へ延びた。4ヵ月ぶりの水準となる。中央価格は前年比で5.7%上昇の22.27万ドル。前月比では5.0%上昇し、3ヵ月連ぶりに上向いた。売り出し平均期間は47日と前月の59日から短縮、2015年8月以来で最短となった。
買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件 7%、3ヵ月連続=前月は7%、前年同月は7%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 1%、直近で最低<前月は3%、前年同月は3%
・差し押さえとショートセールを合わせた不良債権物件 8%、直近で最低<前月は10%、前年同月は10%
・新規購入者 30%=前月は30%、前年同月は30%
・現金での購入者 25%=前月は25%、前年同月は24%
・住居用ではなく投資向け 14%<前月は18%、前年同月は14%
中古住宅販売件数、一戸建てと複合そろって増加に反転。
(作成:My Big Apple NY)
発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、結果を受け「年初来から販売件数の変動が激しい理由として、販売開始を迎える物件の数がまちまちな事情があり売り出されれば、たちまち買い手がつく」と説明した。一方で「高級物件の潜在的な買い手にとっては、1月の株安が尾を引いているのだろう」と指摘。家賃の値上がりが著しいなかで「30年物住宅ローン金利h4%以下であり、新規購入者が増えてもおかしくない」との見方も寄せるが、「住宅に値ごろ感が乏しい」ため新規購入者のシェアが高まらないと説明した。
▽MBA住宅ローン申請件数指数は3週続伸も、金利低下一服で新規弱い
全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、4月15日週に前週比1.3%上昇し526.8だった。3週続伸しており、特に借換が2.6%上昇の2177.4と3週連続で上向きヘッドラインに寄与。新規は逆に0.5%低下の240.8.と、反落した。ダウが2015年7月以来の18000ドル乗せへコマを進めるなか、金利低下が一服し新規が足を引っ張った格好だ。MBA住宅ローン申請件数指数の前年比(季節調整前)は15.1%上昇し、前週の16.5%から伸びを狭めた。新規も17.2%の上昇(前週は23.6%の上昇)、借換は13.4%の上昇(前週は11.2%の上昇)と2週連続で上昇した。
30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は3.83%と、前週の3.82%を上回った。1年前の水準である3.83%に並ぶ。15年固定金利型(平均)は前週の3.10%から、3.06%へ低下。FHAのローン金利は3.77%と、前週の3.74%から上昇した。
申請全体に占める借換の割合は55.4%と、前週の54.9%を上回った。2009年6月以来の低水準となった2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。ただし2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。
――米3月中古住宅販売件数が前月の大幅減から持ち直したのは、喜ばしい限り。中古住宅の先行指標となる米2月中古住宅販売成約件数指数が好調だった通り、需要の強さが伺えます。新築住宅と比較して値段が手ごろなのも、呼び水となっているもよう。労働市場が失速しなければ、少なくとも500万件台の節目を維持しそうです。
(カバー写真:Doug Kerr/Flickr)
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