Durable Goods Orders Unexpectedly Remain Soft.
米5月耐久財受注は前月比2.2%減となり、市場予想の0.5%減より下げ幅を広げた。前月の3.3%増(3.4%増から下方修正)から反転し、過去6ヵ月間で3回目の減少を示す。防衛財が28.0%減と前月の3.3%増から転じ3ヵ月ぶりに減少したほか、輸送機器もマイナスに転じ軒並み弱含んだ。
輸送用機器は5.6%減となり、前月の8.5%増(8.9%増から下方修正)を下回った。3ヵ月ぶりに減少。民間航空機が小幅増だったものの、自動車が足を引っ張った。
・民間航空機 1.0%増<前月は69.4%増、6ヵ月平均は10.1%増
・自動車 2.8%減<前月は1.8%増、6ヵ月平均は0.3%減
輸送用機器を除く場合は0.3%減となり、市場予想の0.1%増に反する結果となった。前月の0.5%増より弱く、過去6ヵ月間で3回目の増加を示す。
コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は、市場予想の0.4%増に反し0.7%減とマイナスに落ち込んだ。前月の0.6%増(0.4%増から上方修正)を含め、過去6ヵ月間で4回目の減少を迎えている。内訳をみると、米5月鉱工業生産が下振れしたように、製造業が前月に続き弱含んだ。
(増加項目)
なし
(減少項目)
・一次金属 1.4%減、2ヵ月連続で減少<前月は0.7%減、6ヵ月平均は1.3%増
・組み立て金属 0.3%減<前月は3.6%増、6ヵ月平均は0.3%増
・機械 0.2%減、2ヵ月連続で減少<前月は2.0%減、6ヵ月平均は1.1%減
・電気機器 0.1%減、5ヵ月連続で減少>前月は0.2%減、6ヵ月平均は0.6%減
・コンピューター/電子機器 0.1%減、3ヵ月ぶりに減少<前月は2.8%増、6ヵ月平均は0.2%増
耐久財出荷は前月比0.2%減となり、前月の0.4%増(修正値)から転じた。過去6ヵ月間で4回目の減少となる。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.5%減となり、市場予想の0.3%増のところ減少に反転。前月の0.6%増(0.4%増から上方修正)にも遠く及ばず、過去6ヵ月で4回目の減少を迎えた。
コア資本財は受注と出荷ともに弱く、引き続きGDPにネガティブ。
耐久財在庫は0.3%減となり、前月の0.4%減(修正値)に続き年初来からの減少基調を維持した。2015年12月の1回のみ増加していない状況で変わらず。在庫と出荷がともに減少したため、在庫相当は前月の1.65ヵ月で横ばいだった。
BNPパリバのローラ・ロスナー米エコノミストは、結果を受けて「コア資本財受注の3ヵ月比年率は3.3%減となり、1~3月期の7.1%減から下げ幅を縮小もマイナス圏を維持した」と振り返る。コア資本財の出荷も「3ヵ月比年率は5.0%減と、1~3月期の11.3%減に続き弱く、4~5月期の機器投資は当方の予想0%から下振れし1.0%減まで落ち込みかねない」と分析。過去分の下方修正と併せ、米4~6月期GDPも「当方の予想2.5%増に下振れ余地が出てきた」と結んだ。
――米5月耐久財受注は原油先物の買い戻しやドル高一服の影響も限定的で、引き続き製造業の低迷を露呈しました。とはいえ、米4~6月期に回復するシナリオで変わりません。アトランタ地区連銀は、米4~6月期GDP予想値を従来の2.8%増から2.6%増へ下方修正しました。NY地区連銀は2%を小幅に上回る水準で維持しつつ、少なくとも2%超の回復が期待できます。問題はBREXITの余波であり、ドル高・原油安による鉱業への打撃・世界景気減速に伴い7~9月期は再び製造業が成長を圧迫するのでしょう。
(カバー写真:kris krüg/Flickr)
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