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米7月ISM非製造業景況指数、BREXIT後の経済指標減速につれ低下

by • August 4, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1596

ISM Service Index Retraces After BREXIT Effects Begin To Unfold.

米ISM非製造業景況指数やマークイットが発表した景況感指数をおさらいしていきます。

米7月ISM非製造業景況指数は55.5となり、市場予想の55.9を下回った。前月の56.5にも届かず。ISM製造業景況指数が約1年ぶりの高水準から鈍化したように、BREXIT後に英国経済指標などが鈍化し始めるなかでサービス活動センチメントは楽観度がやや後退している。

内訳をみると新規受注こそ2015年8月以来の高水準だったが、ビジネス活動や雇用など全体的に前月以下が目立つ。詳細は、以下の通り。

・ビジネス活動 59.3<前月は59.5、6ヵ月平均は58.4
・新規受注 60.3、2015年8月以来の高水準>前月は59.9、6ヵ月平均は57.8
・雇用 51.4<前月は52.7、6ヵ月平均は51.1

・新規輸出受注 55.5>前月は53.0、6ヵ月平均は54.3
・在庫変化 54.0<前月は55.5と6ヵ月ぶり高水準、6ヵ月平均は53.8
・仕入れ価格 51.9<前月は55.5、6ヵ月平均は51.8

▽米7月マークイット製造業PMI確報値、速報値から上方修正され前月と一致

米7月マークイット・サービス業PMI確報値は51.4となり、市場予想の51.0を上回った。速報値の50.9から上方修正され、前月の水準に並ぶ。2月(49.7、債務上限引き上げ及び暫定予算交渉の行き詰まりで政府機関が閉鎖された2013年以来の分岐点割れ)を経て、分岐点割れを維持した。総合PMIは51.8となり、速報値の51.5から上方修正。前月の51.2を上回り、2013年10月以来の50割れを回避し続けている。

ISM非製造業景況指数は7月に低下も、マークイットは底堅い。

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(作成:My Big Apple NY)

クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受けて「7~9月期に米経済が加速すると見込んでいた向きには失望を誘う内容だった」と振り返る。速報値から上方修正されたとはいえ、前月値と横ばいで「上半期のPMIが示したように1%程度の成長にとどまる可能性」を指摘。ただし、マークイット・サービス業PMIのうち雇用が6ヵ月ぶり高水準だったことを評価し「米7月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は16万人増」を予想した。米金融政策をめぐっては、雇用を中心とした材料を好感しつつ「Fedは追加利上げ前に力強い経済指標を確認したい意向とみられ、次回利上げは12月」との考えも示す。

――米7月ISM非製造業景況指数が前月から低下、米7月マークイット・サービス業PMIは前月と横ばいとなりましたが、基本的にはBREXIT後の経済の変化が認められるなかで低空飛行を続けています。マークイットのウィリアムソン氏は比較的ハト派寄りのエコノミストながら、速報値時点で米4~6月期国内総生産(GDP)につき1%増程度と予想しており、エコノミスト予想平均の2.5%増より的確な数字を見込んだことで知られます。7~9月期成長率も同氏の予想通りの展開が見込まれれば、9月利上げの公算は低いと言えそうです。

(カバー写真:Angie Muldowney/Flickr)

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