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米7月新車販売台数、年率で2015年11月以来で最高も予想以下並ぶ

by • August 3, 2016 • Latest News, NY TipsComments Off2239

New Car Sales Recovery Didn’t Meet Market Expectations.

ワーズオートが発表した米7月新車販売台数は、年率換算で前月比8.0%増の1777万台と市場予想の1730万台を上回った。2015年10月以来の1800万台に接近している。6月は4ヵ月ぶりに1700万台割れを示し1661万台だったが、大幅に改善を遂げた。英国民投票で欧州連合(EU)離脱を選択した結果、米10年債利回りが過去最低の水準へ振れたため、需要を喚起したとみられる。営業日が2015年7月と変わらなかったものの、ガソリン価格の下落や金利低下で販売数が加速した格好だ。なお、ワーズオートの数字は米国内総生産(GDP)の算出に使用される。

オートデータが発表した米7月新車販売台数は、前年同月比0.7%増の152万2297台だった。前月の151万3997台からも、増加している。年率ではワーズオートと同じく1788万台と前月の1674万台を大きく上回っただけでなく、2015年11月以来の高水準を遂げた米4~6月期上級融資担当者調査では自動車ローンの融資条件の緩和より引き締めが多かったものの、大勢には影響しなかったようだ。なお2015年9~11月に2000年以来となる1800万台を突破したため、2015年は前年比5.7%増の1747万台と2000年に樹立した1735万台を突破し過去最高を塗り替えた。

ケリー・ブルー・ブックによると、7月の平均販売価格は前年同月比2.5%上昇の3万3264ドル(約340万円)だった。6月と変わらずの伸びだったが、前月比では0.2%上昇し6月の0.1%を超え2ヵ月連続でプラスを示す。メーカー別の平均価格を前月比でみると、6月に続き下落が優勢。排ガス不正問題に揺れるVWが1.3%下落し、3ヵ月連続でマイナスに振れた。同メーカーは2015年9~11月の下落を経て、同年12月と2016年1月に3%近い上昇、以降は下落傾向をたどる状況だ。そのVWより下げ幅が大きかったメーカーはリコール問題を受けスバルで0.8%下落、ヒュンダイ・キアも0.4%下落した。前年比ではVWが1.0%上昇に転じた一方、日産のみ0.6%下落した。

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(出所:Kelley Blue Book)

2016年の新車販売台数につき、自動車価格情報サイトのトゥルーカーは「1800万台」を予想する。ただし、伸び率は3%台とし、2015年の5.7%を下回る見通しだ。全米自動車協会は「1770万台」となる。いずれの数字も、2015年を超える公算だ。

7月の単月動向をメーカー別でみると、米国のかつてのビッグ3だったGM並びにフォード、クライスラーがそろって市場予想に届かず。日産も市場予想を下回る。トヨタとホンダが市場予想を上回り、ホンダのみ増加しながら市場予想超えを果たした。車種では、比較的トラックをはじめスポーツ多目的車(SUV)で一部盛り返した半面、セダンや小型車はまちまちとなっている。ガソリン価格が2月に一時1.724ドルと2004年3月以来の安値をつけた後、6月に一時2.399ドルまで上昇。その後は原油先物が6月の高値から8月2日に20%落ち込み下落する過程で、ガソリン価格も7月に2.159ドルまで調整が入った。

以下、米国をはじめメーカー別動向。

【GM】
GMは前年同月比1.9%減の26万7258台となり、市場予想の1.0%減より下げ幅を広げた。3ヵ月連続で減少している。小売販売台数では5.0%増の23万6235台で、13ヵ月ぶりに減少した前月から反発している。新車販売台数での4大ブランド別では、3ブランドで増加し、前月の2ブランドを上回った。小売販売台数では全ブランドで増加し、前月の3ブランドを上回った。2016年通期の新車販売台数は6月に1720万台から1730万台を上方修正した水準を保ちつつ、過去最高を達成した2015年以下を予想する。新車販売台数の詳細は、以下の通り。

・ビュイック 10.4%増の2万628台、5ヵ月ぶりに増加
→小売販売台数は12.7%増の2万628台と、増加に反転。「リーガル」が49.7%増の2307台で単月ベースでは5年ぶり高水準だったほか、主力の「エンスレーブ」が9.9%増の7249台、「アンコール」も1.4%増の6923台となった。

・GMC 4.8%増の5万1137台、4ヵ月ぶりに増加
→小売販売台数は9.9%増の4万7809万台と、3ヵ月ぶりに増加。主力の「シエラ」が31.7%増2万2428台と3ヵ月ぶりに増加に転じたほか、SUVの「キャニオン」が33.1%増の3532台と増加している。ただしSUVの「アルカディア」は30.1%減の7462台と、3ヵ月連続で2桁減だった。

・キャデラック 1.3%増の1万4341台、2ヵ月連続で増加
→小売販売台数は1.1%増の1万3493台だった。SUVで売れ筋の「エスカレード」が2.0%増の1703台前月に続き堅調だったほか、セダン「ATS」が33.4%増の2119台と跳ね上がった。

・シボレー 5.3%減の17万8820台、過去4ヵ月で3回目の減少
→小売販売台数は3.0%増の15万4305台で、2ヵ月連続で増加した。SUVの「エキノックス」が1.3%増の2万1882台と、単月で過去最高に。ただし、「シルバラード」は4.0%減の5万4116台と2ヵ月連続で減少した。その他、セダンの「インパラ」が38.1%減の5045台、小型車の「クルーズ」と「マリブ」がそれぞれ35.7%減の1万3723台、26.2%減の1万1820台と2桁減を示す。

【フォード】
フォードは前年同月比3.0%減の21万6479台となり、市場予想の0.5%減より弱い結果となった。2大ブランド別では、それぞれ減少。フォード、リンカーンともに減少に転じた。なお同社は1月、日本とインド市場から年内に撤退を決定した。詳細は、以下の通り。

・フォード 2.7%減の20万7381台、前月から減少に反転
→アルミ製ボディのトラック「Fシリーズ」が1.0%減の6万5657台と、5ヵ月ぶりに減少に転じ前月達成した7万の大台も割り込んだ。SUVも下振れし「エクスプローラー」は22.2%減の1万6615台だったほか、「エスケープ」も10.2%減の2万6260台だった。小型車も振るわず「フォーカス」が17.9%減の1万3973台と3ヵ月連続で減少、「フュージョン」も4.4%減の2万4007台と減少に転じた。「フィエスタ」も25.5%減の4092台と、前月に続き弱い。一方で小型SUVの「エッジ」は4.9%増の1万512台だった。

・リンカーン 4.6%減の9098台、7ヵ月ぶりに減少
→新型「MKZ」が12.3%増の2968台だった一方、新型「MKX」は5.4%増の2656台と、8ヵ月連続で増加を迎えた。

【フィアット・クライスラー】
フィアット・クライスラー・オートモビルは前年同月比0.3%増の18万727台となり、市場予想の1.9%増に及ばなかった。もっとも前年比プラスは76ヵ月連続となる。5大ブランド別では2ブランドで増加し、前月の3ブランドから減少した。詳細は、以下の通り。

・ジープ 17%増の8万3691台、33ヵ月連続で増加
→単月ベースでは、2013年11月以来続く過去最高をたどる。新しく投入された「レネゲード」が57%増の1万57台と大台を回復した半面、「チェロキー」が12%減の1万5451台、「ラングラー」も5%減の1万8741台と減少に反転した。結果、6車種中では4車種が増加し、前月の5車種から減少している。

・ラム 5%増の4万4069台、2ヵ月連続で増加
→主力の「ラム」が2%増の3万9827台と2ヵ月連続で増加し2004年以来で最高だったほか、「プロマスター・シティ」が87%増の1187台だった。

・ドッジ、10%減の3万5520台、過去4ヵ月間で3回目の減少
→主力の「キャラバン」が28%増の1万55台と勢いを維持したものの、「デュランゴ」が3%減の5131台だったほか、「チャージャー」も17%減の4949台だった。

・クライスラー 4%減の1万9095台、6ヵ月連続で減少
→ミニバン「タウン・アンド・カウンティ」が49%減の3341台と2ヵ月連続で減少したほか、その他セダンの「200」も43%減の5474台だった。

・フィアット 14%減の2754台、7ヵ月連続で減少
→「500」や「500L」などが軒並み2桁減を示したほか、新型「500X」は1%増の950台と前月から大きく伸びを縮小した。

【日本車、その他】
日本車では、トヨタが1.4%減の21万4233台と市場予想の2.9%減より下げ幅を縮小させた。とはいえ、3ヵ月連続で減少。ブランド別では、トヨタとレクサスがそろって減少。営業日ベースでも、全体で1.4%減少した。詳細は、以下の通り。

・トヨタ 0.5%減の18万6343台、3ヵ月連続で減少
→引き続きSUVやトラックが牽引し、日本では来春に販売・生産を打ち切る計画のSUV「RAV4」が19.3%増の3万1871台と10ヵ月連続で単月での記録を塗り替えた。セダンでは「カローラ」が4.9%増の3万1717台と2ヵ月連続で増加した一方、「カムリ」は11.2%減の3万4122台と2ヵ月連続で減少した。

・レクサスは6.5%減の2万9816台、5ヵ月連続で減少
→SUVやトラックは6.5%増の1万5455台で、前月に続き4車種中3車種で増加した。反対に乗用車部門は15.2%減の10万1991台で、7車種中の6車種で減少し前月の5車種から増えた。

ホンダは前年同月比4.4%増の13万8715台となり、市場予想の0.4%減に反し増加した。ブランド別では、ホンダが2ヵ月連続で増加した半面、アキュラは、2ヵ月連続で減少した。詳細は、以下の通り。

・ホンダ 5.9%増の13万9125台、2ヵ月連続で増加
→単月で最高を達成。SUVの「CR-V」が13.3%増の3万6017台と過去最高を更新。セダンはまちまちで「シビック」が5.8%増の3万2952台と単月で3年ぶり高水準だったものの、「アコード」は7.4%減の7.4%減の3万1946台だった。

・アキュラ 26.9%減の1万1352、2ヵ月連続で2桁減
→主力の「RDX」、「MDX」が5.6%減の4320台、1.5%減の4902台とそれぞれ弱い。

日産は1.2%増の13万2475台となり、市場予想の3.0%増を下回った。2大ブランドでは、それぞれ増加。日産は2ヵ月連続、インフィニティは5ヵ月ぶりに減少している。詳細は、以下の通り。

・日産 1.7%増の12万2530台、2ヵ月連続で増加
→単月で過去最高を更新。SUV・トラックで主力の「ローグ」が32.8%増の3万3298台となり、クロスオーバーは過去最高を達成した。セダン「マキシマ」は43.5%増の5990台だった一方、主力のセダン「アルティマ」も26.3%減の2万4949台と減少した。

・インフィニティ 4.7%減の9945台、5ヵ月ぶりに減少
→SUVの「QX60」が45.9%増の4380台と4ヵ月連続で増加し、「QX50」が647.3%増の3701台と好調なペースを維持している。反対にセダン「Q50」が26.3%減の2805台だった。

その他の海外メーカーは、以下の通り。

・フォルクスワーゲン(VW)が8.1%減の2万8758台
→排ガス不正が発覚した2015年9月、および同年10月は値下げ効果もあって小幅な増加にとどまったが、同年11月にガソリン車にも火種が及んだ影響からか以降は8ヵ月連続で減少。ただしアウディが4.0%増の1万8364台と増加トレンドをたどり、グループ全体では3.8%減の4万7375台へ下げ幅を縮めた。

・ヒュンダイは5.6%増の7万5003台と増加に反転。
・キアは6.5%増の5万9969台と3ヵ月連続で増加した。

・三菱自動車は0.3%増の7890台で、2ヵ月連続で小幅に増加
→同社は燃費不正が発覚し日産の傘下入りが決定済みだ。

・テスラ(推計値)は65.0%増の3300台
→ガソリン価格が上向くなかで快走。6月末に自動運転中(オートパイロット)の衝突事故が発生したものの、スピードを加速させて運行していた事情などが明らかになるなかで前月の55%増から伸びを広げた。

自動車メーカーからディーラーへの1台当たりインセンティブは前年同月比5.2%上昇の3225ドルで、前月の8.6%を超えた。前年比での伸び率は高級車市場でメルセデス・ベンツを追走中のBMWが24.7%上昇しており、その他VWが22.9%、フォードが20.3%と前月に続き2桁で続く。

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(出所:Truecar)

高級車部門別ランキングは、以下の通り(%は全て前年比)。今回、高級車御三家のメルセデス・ベンツ、レクサス、BMWがトップ3を維持した。1位はメルセデス・ベンツで変わらず。1月に3位の座をビュイックに譲ったBMWはインセンティブを引き上げ販売台の維持に努めたものの、今回はレクサスに追撃され3位に転落した。

1位 メルセデス・ベンツ 7.1%増の3万1795台
→1~6月に続き、首位を堅持した。年初来では1.0%増の21万334台でトップに君臨している。2015年は、4.7%増の37万2977台でトップ。2013年は1位だったが、2014年ではBMWに1位を明け渡していた。

2位 レクサス 6.5%減の2万7890台
→1~3月の2位から、4~6月にBMWに2位の座を奪われた後で再び2位に浮上した。年初来では4.9%減の17万9454台となり、わずか数百台の差でBMWから2位の座を奪っている。2015年は10.7%増の34万4601台で3位。2011年まで11年間連続で首位を飾ったが、東日本大震災後に順位を落とし2014年、2013年、2012年に続き3位にとどまる。

3位 BMW 4.4%減の2万5777台
→1月はまさかのトップ3圏外で始まり4~6月は2位に立ちつつ、2~3月通り3位に甘んじた。年初来では8.4%減の17万9213台となり、前月の2位から3位へ下落。2015年は1.8%増の34万6023台で、首位の座を宿敵メルセデス・ベンツに明け渡していた。2014年では1位、2013年は2位だった。

4位 ビュイック(GM)10.4%増の2万2960台
→過去2ヵ月連続での5位を経て、4位へ浮上した。年初はBMWを振り切って3位へ急伸したものの、以降はトップ3圏外へ戻す。年初来では±0%の12万7167台 と4位を保った。2015年は2.6%減の22万3055台で4位だった。

5位 アウディ(VW)4.0%増の1万8364台
→VWショックに揺れるなか、5~6月の4位を経て今回は4位。一時期の7位からは回復している。年初来では3.6%増の11万5298台で、5位を維持した。2015年は11.1%増の20万2202台で、5位だった。

6位 キャデラック 1.3%増の1万4341台
→前月と変わらず。年初来では7.9%減の8万7572台で、ホンダに続き7位となる。2015年は2.6%増の17万5,262台で、7位だった。

7位 アキュラ 8.3%減の1万3674台
→前月と変わらず。年初来では9.2%減の9万2668台で6位を堅持。2015年は5.6%増の17万7165台で6位に収まっていた。

8位 インフィニティ 4.7%減の9955台
→2月まで8ヵ月連続で8位を経て、3月に7位へ浮上した後で4~6月に続き8位にとどまった。年初来では、0.3%増の6万2395台で8位となる。2015年も13.8%増の13万3,498台で8位だった。

新車販売台数:モデル別ランキング(%は前年同月比)で、今回は6月に圏外へ脱落したトヨタの「Rav-4」、ホンダの「アコード」がカムバックを果たした。一方で7位だった日産の「アルティマ」、10位だったフォードの「エスケープ」がランク外に落ちている。

1位 Fシリーズ(フォード)1.0%減の6万5657台、前月も1位
2位 シルバラード(GM)4.0%減の5万4116台、前月も2位
3位 ラム(フィアット・クライスラー)10.6%増の3万9827台 前月も3位
4位 CR-V(ホンダ)13.3%増の3万6017台、前月は8位
5位 カムリ(トヨタ)13.3%増の3万4122台、前月は4位

6位 ローグ(日産)32.8%増の3万3298台、前月は9位
7位 シビック(ホンダ)5.8%増の3万2952台、前月は5位
8位 アコード(ホンダ)7.4%減の3万1946台、前月は圏外
9位 Rav4(トヨタ)19.3%増の3万1871台、前月は圏外
10位 カローラ(トヨタ)4.9%増の3万1717台、前月は6位

SUV版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)今回はヒュンダイの「サンタフェ」が圏外に落ち、代わりにトヨタの「ハイランダー」が加わった。前年比で減少した車種は4つで、前月の3つから増加した。

1位 CR−V(ホンダ)13.3%増の3万6017台、前月も1位
2位 ローグ(日産)32.8%増の3万3298台、前月も2位
3位 RAV 4(トヨタ)19.3%増の3万1871台 前月は4位
4位 エスケープ(フォード)10.2%減の2万6260台、前月は3位
5位 エキノックス(シボレー)1.3%増の2万1882台、前月は7位

6位 エクスプローラー(フォード)17.9%減の1万9192台、前月は5位
7位 ジープ・ラングラー(フィアット・クライスラー)5.5%減の1万8741台、前月は6位
8位 ジープ・グランドチェロキー(フィアット・クライスラー)3.2%増の1万6704台、前月は9位
9位 ジープ・チェロキー(フィアット・クライスラー)11.5%減の1万5451台、前月は10位
10位 ハイランダー(トヨタ)19.5%増の1万5213台、前月は11位

(カバー写真:GM

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