Michigan Consumer Confidence Virtually Flat In August.
米8月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値から米8月マークイット・サービス業PMI、米新規失業保険申請件数をおさらいしていきます。
米8月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は89.8と、速報値の90.4から下方修正された。市場予想の90.8、前月の90.0にも届かず。2015年6月年以来の高水準となる5月の94.7から後退しただけでなく、4ヵ月ぶりの低水準となる。内訳をみると、現況指数が107.0と、速報値の106.1から上方修正された。ただし、見通し指数は速報値の80.3から下方修正され78.7へ弛んだ。ダドリーNY連銀総裁をはじめ米金融当局者が9月利上げに前向きな発言を行ったため、金利上昇への警戒感が高まったとみられる。
原油先物が6月高値から一時20%落ち込み弱気相場入りした影響から、インフレ見通しは1年先につき速報値と変わらず2.5%。前月の2.7%を下回り3ヵ月ぶりの低水準だった。5~10年先は3ヵ月連続で2.6%を経て、2.5%へ下方修正された。
見通し指数の低下を、Fedはどう思うのか。
(作成:My Big Apple NY)
ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は今回の結果を受け「全般的に経済見通しが小幅に上方修正されたものの、家計見通しが重石になった」と振り返った。特に若い世代でセンチメントが低下しており「支出拡大とは裏腹に、所得見通しが芳しくない」という。ただインフレ見通しが低水準であるほか、低金利そのものがマインドを支えているとし、2016~17年の個人消費見通しを「2.6%増」と見込んだ。2016年の2.5%増から上方修正させつつ、2017年は据え置いた格好。米大統領選をめぐり、消費者は民主党のクリントン候補の勝利予想に傾くと指摘しつつ、「経済を好転させられるかは意見が分かれている」と結んだ。
▽米8月マークイット製造業PMI速報値、6ヵ月ぶりの分岐点割れに接近
米8月マークイット・サービス業PMI確報値は50.9となり、市場予想の51.8を下回った、前月の5.14からも低下し、6ヵ月ぶりの分岐点割れが迫る。2月の分岐点割れは、債務上限引き上げ及び暫定予算交渉の行き詰まりで政府機関が閉鎖された2013年以来だった。内訳をみると、新規受注が2014年12月以来の地水準だった。総合PMIは51.4となり、前月の51.8に届かず。もっとも、2013年10月以来の50割れを回避し続けている。
クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受けて「7~9月期国内総生産(GDP)は4~6月期から加速する可能性が後退した」と手厳しい。現状の水準では「Q3GDPは1%を割り込む可能性がある」と指摘。雇用も下振れし、米大統領選という不透明性もあり慎重な見解を寄せた。
▽米新規失業保険申請件数、継続需給は数が2週連続で増加
米新規失業保険申請件数は8月19日週に26.1万件と、市場予想の26.5万件を下回った。前週の26.2万件からも減少し、7月16日週以来の25万割れに接近。米労働省は特殊要因を指摘しなかったが、30万件割れは77週連続で1973年以来の最長とのコメントを寄せた。4週平均は26万4000件と、6月25日週以来の水準へ増えた前週分の26万5250件(修正値)を下回った。1973年以来で最低を示した4月23日週の25万6000件が遠のきつつある。
8月13日週までの継続受給者数は214.5万人と、前週の217.5万人(修正値)を下回った。3週ぶりに減少に転じた。被保険者に占める失業者の割合は5週連続で1.6%となり、過去最低の1.5%を上回った水準を保つ。
(カバー写真:elysiumcore/Flickr)
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