ISM Manufacturing Index Picks Up Growth But Employment Softens.
米11月ISM製造業景気指数、米11月マークイット製造業PMI確報値、米10月建設支出をおさらいしていきます。
米11月ISM製造業景況指数は53.2となり、市場予想の52.5を上回った。前月の51.9を超え、3ヵ月連続で分岐点に乗せただけでなく、2015年2月以来の水準へ上昇。内訳をみると生産が直近で最高をつけたほか、新規受注、在庫などが前月を上回っている。ただし、米11月雇用統計を前に米11月ADP全国雇用者数の結果に比例し、雇用は前月以下となった。詳細は、以下の通り。
・新規受注 53.0、3ヵ月連続で分岐点乗せ＞前月は52.1、6ヵ月平均は53.9
・生産 56.0、直近で最高、3ヵ月連続で分岐点乗せ＞前月は54.6、6ヵ月平均は53.3
・雇用 52.3、2ヵ月連続で分岐点乗せ＜前月は52.9、6ヵ月平均は50.5
・在庫 49.0、17ヵ月連続で分岐点割れ＞前月は47.5、6ヵ月平均は48.8
・新規輸出受注 52.0＜前月は52.5、6ヵ月平均は52.6
・受注残 49.0、4ヵ月連続で分岐点割れ＜前月は49.5、6ヵ月平均は48.3
・仕入れ価格 54.5＝前月は54.5、6ヵ月平均は55.1
・入荷時間 55.7＞前月は52.2、6ヵ月平均は52.7
ISMの雇用に合わせ、米雇用統計・非農業部門就労者数（NFP）の製造業も減少か。
（作成：My Big Apple NY）
ISMのブラッドリー・ホルコム会長は、結果に対し「18業種のうち11業種で拡大した」と説明、10月の10業種や9月の7業種から増加を続け、7月の高水準に並んだことを示した。また「需要の高まりや労働市場で幾分のひっ迫が報告された一方、年末にかけ在庫を縮小するとの声も聞かれた」という。その割に、雇用が前月を下回った格好だ。
▽米11月マークイット製造業PMI確報値、1年ぶりの高水準に並ぶ
米11月マークイット製造業PMI確報値は54.1と、市場予想並びに速報値の53.9を上回った。前月の54.8も超え、2015年10月以来の高水準に並んだ。
クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「内需を支えに生産と受注が大きく上向き、企業は在庫を積み上げ始め調整は一巡したようだ」と評価した。ドル高をめぐっては「輸出業者の痛手となるものの、原材料コストを抑制できる」と指摘。雇用には「見通しとコスト負担への不透明感から、採用は見送り姿勢」と結んだ。
ISMとマークイット、そろって強含み。
（作成：My Big Apple NY）
――米ISM製造業景況指数と米マークイット製造業PMI確報値は、それぞれ少なくとも1年ぶりの高水準を遂げたものの、雇用がさえません。米11月ADP全国雇用者数の結果と合わせ、製造業が4ヵ月連続で減少する可能性が強まってきました。（作成：My Big Apple NY）
▽米10月建設支出、民間の住宅と公共がけん引し増加に反転
米10月建設支出は前月比0.5％増の年率1兆1730億ドルとなり、市場予想の0.6％増に届かなかった。前月の±0％（0.4％減から上方修正）から増加に転じている。内訳をみると、住宅が1.8％増と2ヵ月連続で増加した一方、非住宅も0.3％減と2ヵ月連続で減少した。建設支出の前年比は2.4％増と、前月の0.8％増を含め増加トレンドを保った。
前月比での民間は0.2％減と、10月の0.1％減を含め2ヵ月連続で減少した。住宅が1.6％増と2ヵ月連続で増加したものの、非住宅は2.1％減と2ヵ月連続で減少している少に転じている。非住宅の内訳をみると11項目中、2項目のみ増加。前月の5項目以下ながら、輸送が5.1％増、通信も3.7％増と力強い伸びを示した。
公共は2.8％減と、前月の0.4％増を含め3ヵ月連続で増加した。住宅が11.9％増と前月の10.2％減から反転したほか、非住宅も2.6％増と3ヵ月連続で増加した。非住宅のうち12項目中、11項目で増加。ヘルスケア以外、全て増加し商業に至っては10.4％増、公共安全も9.3％増と著しかった。
――米10月建設支出を受け、バークレイズは米10～12月期GDP予想値を2.2％増で据え置きました。公共での増加を民間非住宅建設が押し下げるため、ニュートラルだったといいます。米7～9月期GDP改定値では企業の設備投資のうち構築物投資が大幅に改善しましたが、その反動で10～12月に鈍化する可能性が出てきました。
（カバー写真：Chris Devers/Flickr）
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