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米2月ミシガン大消費者信頼感、トランプ政権発足後に低下

by • February 27, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1635

Consumer Sentiment Falls For The First Time Since Trump’s Victory.

米2月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値、米1月新築住宅販売件数をおさらいしていきます。

米2 月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は96.3と、速報値尾95.7から上方修正され市場予想の96.0を上回った。ただし2004年1月以来の高水準を達成した前月の98.5から小幅に低下し、2016年の米大統領選挙でトランプ氏が勝利してから、初めて前月値を下回っている。内訳をみると、現況指数が111.5と速報値の111.2並びに前月の111.3から上昇、ただ2005年7月以来の水準へ上振れした2016年12月の111.9には届かず。見通し指数は速報値の85.7から上方修正され86.5だったが、2004年1月以来の高水準を遂げ1月の90.3から低下したままだ。調査期間中はトランプ米大統領が「驚くべき」税制改革に踏み切ると発言したほか、ダウが11日連騰を記録する最中にあり速報値から上方修正されたものの、前月比では鈍化を示した。

原油先物が石油輸出国会合(OPEC)と非加盟国の間で減産合意を背景に2015年7月以来の高値付近で推移するなか、1年先インフレ見通しは2016年4月以来の高水準を示した速報値の2.8%から2.7%へ下方修正、ただ前月の2.6%を上回った水準を維持した。5~10年先インフレ見通しは速報値通り2.5%で、前月の2.6%以下にとどまる。ただ過去最低だった2016年12月の2.3%を上回る水準を保った。

ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は今回の結果を受け「全体的に1月の数値を下回ったとはいえ、過去3ヵ月間は全て2004年3月以来の水準を超えている」と評価した。ただ、引き続き「トランプ政権発足がポジティブな影響を与えたとは言い難く、共和党支持者は活況な経済を、民主党支持者は景気後退を見込むなど景況感に乖離がみられる」と指摘。見通し指数では共和党支持者で120.1、民主党支持者で55.5、無党派層で89.2だったように無党派層は共和党寄りで、持ち上げられたようだ。一連の結果を受け、カーティン氏は2017年の個人消費見通しを「2.7%増」とし、2016年12月時点での予想を維持した。

ミシガン大学消費者信頼感、約13年ぶり高水準から鈍化。

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(作成:My Big Apple NY)

・1年先の家計見通し指数 123>速報値は121と6ヵ月ぶり低水準、前月は130
向上する 35>速報値は34と6ヵ月ぶり低水準、前月は41
変わらず 48>速報値は47、前月は46
悪化する 12<速報値は13と直近で最高、前月は11

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数は86<速報値は87と直近で最高、前月は80
所得の伸びが物価を上回る 24<速報値は25と3ヵ月ぶり高水準、前月は20
所得の伸び率と物価が同じ 36>速報値は35、前月は39と3ヵ月ぶりの高水準
所得の伸びが物価を下回る 38=速報値は38、前月は40

・所得が1年先に拡大するとの回答
今回 51.4%>速報値は51.1%、前月は53.0%

・1年先のビジネス見通し指数 113=速報値は113、前月は125と直近で最高
向上する 41<速報値は42、前月は44と直近で最高
変わらず 28>速報値は26と直近で最低、前月は34
悪化する 28<速報値は29と直近で最高、前月は19と4ヵ月ぶり低水準

・米国は向こう1年先も良好な状況を継続する 112=速報値は112、前月は121と直近で最高
良好 49<速報値は50、前月は53と直近で最高
不透明 6>速報値は5、前月は6
困難 37<速報値は38と4ヵ月ぶり高水準、前月は32と直近で最低

・1年先の失業率見通し指数 109>速報値は108、前月は111と直近で最高(低下を見込む場合に上昇)
低下する 35、直近で最高>速報値は33、前月は33
変わらず 38、直近で最低<速報値は41、前月は43
上昇する 26>速報値は25、前月は22

・1年先の金利見通し指数 35>速報値は32と直近で最低、前月は34
低下する 6=速報値は6と3ヵ月ぶり低水準、前月は8
変わらず 22>速報値は19、前月は17
上昇する 71<速報値は74、前月は74

・1年先のガソリン価格 15.1<速報値は15.8と4ヵ月ぶり高水準、前月は15.2(値上がりを見込む場合に指数は上昇)
下落する 6=速報値は6、前月は5
変わらず 41>速報値は39、前月は42

上昇する 53<速報値は54と4ヵ月ぶりの高水準、前月は53

・自動車購入指数 145=速報値は145、前月は147と6ヵ月ぶりの高水準
買い時 70=速報値は70、前月は71と6ヵ月ぶりの高水準
分からない 5=速報値は5、前月は5
買い時ではない 24<速報値は25、前月は24と6ヵ月ぶりの低水準

・住宅購入指数 151>速報値は149、前月は156と5ヵ月ぶりの高水準
買い時 75>速報値は74、前月は77と直近で最高
分からない 1、3ヵ月ぶり低水準=速報値は1、前月は2
買い時ではない 24<速報値は25、前月は21

・主要機器 161>速報値は160、前月は165と直近で最高
買い時 77、4ヵ月ぶり低水準=速報値は77<前月は80
分からない 7、直近で最高>速報値は6、前月は5
買い時ではない 16<速報値は17、前月は15

――米2月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値のポイントは、以下の通りです。

1)1年先の家計見通し指数、所得が1年先に拡大するとの回答、所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数、1年先の失業率見通し指数が上昇。
2)1年先のビジネス見通し指数、米国は向こう1年先も良好な状況を継続は前月と横ばい
3)購入見通しは住宅と主要機器が上昇、自動車は横ばい。
4)インフレ見通しはまちまち、ガソリン価格は下落を予想も1年先の金利見通し指数金利は上昇を見込む、

トランプ米大統領が発足した後、ようやく税制改革に言及するようになり消費者信頼感を押し上げるかと思いきや力不足です。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が議会証言で利上げに前向きな姿勢を示し、1月FOMC議事録では「かなり早期」の利上げに向け準備を始めたため、センチメントが低下した可能性は否めない。とはいえ、引き続き上振れした水準を保っているため、消費が大幅減速するリスクは低いでしょう。

▽米1月新築住宅販売件数、10ヵ月ぶりの低水準から回復も予想届かず

米1月新築住宅販売件数は年率55.5万件と、市場予想の57.1万件を下回った。2016年2月以来の低水準だった前月の53.5万件(53.6万件から下方修正)を3.7%上回ったものの、金利上昇を背景に力不足に終わっている。また、前月を含め過去3ヵ月分も下方修正された。

4大地域別では、3地域で増加し前月の1地域から増えた。今回は北東部が15.8%増(2ヵ月連続で増加)の4.4万件だったほか、中西部は14.8%増(前月から増加に反転)の7.0万件、南部も4.3%増(前月から増加に反転)の290万件だった。逆に、西部は4.4%減の15.1万件と減少に転じた。

新築住宅販売件数、前月から減少も高止まりを維持。

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(作成:My Big Apple NY)

在庫総数は26.5万件と、前月の25.6万件を3.5%上回り6ヵ月連続で増加した。在庫相当は販売件数の伸びが在庫以下にとどまり前月の5.7ヵで変わらず、足元で最長となる。中央価格は31.29万ドルと前年比では7.5%上昇し、過去最高を遂げた2016年9月の水準近くを維持。前月比では1.0%下落した。

――米1月新築住宅販売件数は市場予想以下だっただけでなく、同住宅着工件数の販売向け件数推計値にも届かず。米2月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値では住宅購入見通しが上向いた割にさえません。金利上昇に加え米1月雇用統計で判明した賃金伸び悩みもあって、住宅投資は大幅増加するかは微妙な情勢です。

(カバー写真:BMiz/Flickr)

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