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米11月人員削減予定数は増加、ホリデー商戦の臨時雇用は4年ぶり低水準

by • December 8, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1712

Job Cuts Increase Moderately In November But Post Lowest Year-To-Date.

米11月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比30%増の35,038人となった。前月比では17%増となり、それぞれ増加に反転。年初来の人員削減予定数は前年同期比で22%減の386,347人だった。水準としては1997年以来で最低を記録している。

発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、結果を歓迎しつつ「ドラッグストア大手CVSによる医療保険エトナの買収に加え、潜在的なアマゾンによる後発医薬品会社の買収の可能性を踏まえると、ヘルスケア関連や小売などで年初に大型の人員削減が発表されかねない」との見解を寄せた。ただ、年初来の採用予定数は過去最高の109万2,436人となる。

11月は人員削減予定数が増加も、年初来では97年以降で最低。

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(作成:My Big Apple NY)

年初来で人員削減が多かったセクターのランキングは以下の通り。1〜10月と変わらず1位は小売で74,665人となり、金融危機直後にあたる2009年以来で最高を示す。2〜3位も9~10月と変わらず、4位と5位で順位が変動するのみだった。なお10月は1位が小売、2位がヘルスケア、3位がサービス、4位が食品、5位が産業だった。

1位 小売 74,665人(全体の19.3%)
2位 ヘルスケア 38,145人(全体の9.9%)
3位 サービス 32,836人(全体の8.5%)
4位 産業 19,986人(全体の5.2%)
5位 食品 19,978人(全体の5.2%)

年初来での州別動向は、10月と全く順位は変わらず。1位がIT企業のメッカであるカリフォルニア州、2位がテキサス州で変わらず。3位は前月5位だったニューヨーク州が浮上、連れて前月3位だったラストベルトと呼ばれる製造業が盛んだったオハイオ州、日本車メーカーが多く進出しラストベルトの一角を成すインディアナ州が転落した。

1位 カリフォルニア州 58,780人(全体の14.4%)
2位 テキサス州 35,408人(全体の9.3%)
3位 ニューヨーク州 25,488人(全体の8.9%)
4位 オハイオ州 24,742人(全体の6.7%)
5位 インディアナ州 22,811人(全体の6.5%)

11月の人員削減数ワースト5は、以下の通り。10月の1位はヘルスケア、2位はサービス、3位はサービス、4位は食品、5位は産業だった。

1位 ヘルスケア 7,011人(全体の20.1%)
2位 サービス 3,920人(全体の11.2%)
3位 消費財 3,057人(全体の8.7%)
4位 コンピューター 2,694人(全体の7.7%)
5位 産業 2,623人(全体の7.5%)

リストラ実施の理由、11月のランキングは以下の通り。前月の1位はコスト削減、2位は閉鎖、3位はM&A、4位は自主退職、5位は契約切れとなる。なおハリケーン“イルマによる人員削減予定数は8~10月に1,117人だった。

1位 コスト削減 18,004人(全体の51.2%)
2位 閉鎖 7,638人(全体の21.8%)
3位 自主退職 985人(全体の2.8%)
4位 移民 800人(全体の2.3%)
5位 契約切れ 565人(全体の1.6%)

採用予定数は、前年同月比72.4%減の37,387人だった。前月比では91.2%減となる。1〜10月では1,031,136人と、前年同期比で3.5倍近い。ただし、これまでの6倍近い伸びから後退した。

1位 小売 23,000人
2位 娯楽 4,438人
3位 自動車 2,000人
4位 サービス 1,825人
5位 輸送 1,203人

――米11月ADP全国雇用者数と米11月チャレンジャー人員削減予定数だけを振り返るなら、米11月雇用統計・非農業部門就労者数は市場予想の19.5万人増に近い数字となり得ます。その一方で、チャレンジャーの採用予定数がホリデー商戦で4年ぶり低水準であることが気掛かり。今年のホリデー商戦もウォルマートやベスト・バイの発表見送っているとはいえ、昨年を下回っています。

ホリデー商戦の臨時雇用、今年は4年ぶり低水準。

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(作成:Challenger Grey And Christmasを元にMy Big Apple NY)

ウォルマートは6日、オンラインへの収益シフトを背景に社名から“ストアーズ”を外しました。業態の変化が、こうしたホリデー商戦の臨時雇用にも現れてきたと言えるでしょう。

(カバー写真:George Artwood/Flickr)

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