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米12月求人数は過去最高も、離職者数は4ヵ月連続で減少

by • February 13, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1686

Job Openings Hit The Record Again, Separations Decrease 4-Month In A Row.

米労働省が発表した米12月雇用動態調査(JOLTS)で求人数は735.5万人と、市場予想の684.6万人を上回った。前月716.6万人(688.8万人から上方修正)を2.6%下回り、2018年8月の729.3万人を超え過去最高を更新している。求人数自体は10ヵ月連続で上回ったが、スプレッドはITバブル期以来で最大だった前月以下にとどまった。

求人数VS失業者数、雇用動態調査の10ヵ月連続で求人数に軍配。

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(作成:My Big Apple NY)

新規採用者数は、前月比1.6%増の590.7万人だった。過去最高を更新した2018年10月(592.8万人)に次ぐ水準となる。なお、米12月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の増加幅は10万人近く修正されたが、20万人台を保った。

離職者数は前月比0.3%減の554.5万人と、4ヵ月連続で減少した。4ヵ月連続での減少は、ITバブル崩壊後初めてとなる。定年や自己都合による自発的離職者が0.3%減の348.2万人と、過去最高をつけた2018年8月の364.8万人を4ヵ月連続で下回った。また、解雇者数も3.2%減の169.7万人と、2ヵ月連続で減少した。

求人率は4.7%と、過去最高を更新した2018年8月に並んだ。民間が前月の4.9%から5.0%へ上昇したほか、政府も前月の2.7%から2.9%へ上昇した。

採用率は前月に続き3.9%と、2001年5月以来の4%乗せを果たした2018年8月、同年10月の4.0%以下となる。民間が2ヵ月連続で4.3%と過去最高の4.4%に届かず、政府も前んの1.7%から1.6%へ低下した。

求人数は過去最高で採用数も過去2番目の高水準、離職者数は解雇者数が押し下げ減少も自発的離職者数も減少続く。

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(作成:My Big Apple NY)

自発的および引退、解雇などを含めた離職率は前月に続き3.7%。民間が3ヵ月連続で4.1%だった半面、政府は前月の1.6%から1.5%へ低下した。自発的離職率は3ヵ月連続で2.3%と、2001年4月以来の高水準だった9月の2.4%以下が続く。解雇率は前月の1.2%から1.1%へ低下、2000年12月に統計が開始してから最低となる2018年3月の1.0%へ接近した。

自発的離職者数の減少が響き離職者数は3ヵ月連続で減少、解雇者数は2ヵ月連続で増加。

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(作成:My Big Apple NY)

――以上の結果を踏まえ、今となっては懐かしいイエレン・ダッシュボードをおさらいしてみましょう。達成項目は前月に続き9項目中7項目。未達項目は引き続き長期失業者の割合、労働参加率でした。ただ非農業部門就労者数は労働市場逼迫に伴い、鈍化する傾向が強まります。以下は詳細で、()内の最悪時点とは、金融危機以降での最も弱い数字となります。

1)求人率—○
2009年7月(最悪時点) 1.6%
2004-07年平均 3.0%
現時点 4.7%

2)解雇率—○
2009年4月(最悪時点)2.0%
2004-07年平均 1.4%
現時点 1.1%

3)自発的離職率 ○
2010年2月(最悪時点) 1.3%
2004-07年平均 2.1%
現時点 2.3%

4)採用率—○
2009年6月(最悪時点) 2.8%
2004-07年平均 3.8%
現時時点 3.9%

5)非農業部門就労者数—〇
2009年3月までの3ヵ月平均(最悪時点) 82.6万人減
2004-07年の3ヵ月平均 22.4万人増
現時点の3ヵ月平均 24.1万人増

6)失業率—○
2009年10月(最悪時点) 10%
2004-07年平均 5.0%
現時点 3.9%

7)不完全失業率—○
2010年4月(最悪時点) 17.2%
2004-07年平均 8.8%
現時点 8.1%

8)長期失業者の割合—×
2010年4月(最悪時点) 45.3%
2004-07年平均 19.1%
現時点 19.3%

9)労働参加率—×
2015年9月(最悪時点) 62.3%
2004-07年平均 66.1%
現時点 63.2%

有効求人倍率は求人数と採用数だけでなく、政府機関閉鎖を受け政府の職員の失業者が増加したため2.11倍と、2000年以降で最高を遂げた前月以下に。

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(作成:My Big Apple NY)

――米12月雇用動態調査では求人数が過去最高採用数が過去2番目の高水準と労働市場の逼迫をあらためて確認する内容でしたが、その一方で離職者数とそのうちの一角を占める自発的離職者数が4ヵ月連続で減少しました。平均時給が6ヵ月連続で3%台を確保しているように、従業員引き留め策が奏功している可能性を残す半面、米1月雇用統計では労働参加率で改善トレンドがみられたため、平均時給が力強い上昇率を維持できるかが、焦点となるでしょう。

(カバー写真:COD Newsroom/Flickr)

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