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米9月ISM非製造景況指数は楽観度後退、雇用は約5年半ぶりの低水準

by • October 4, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1742

ISM Non-Manufacturing Index Improves, But Employment Dips To 2-Year Low.

米9月ISM非製造業景況指数と米9月マークイット・サービス業PMIをおさらいしていきます。

米9月ISM非製造業景況指数は52.6となり、市場予想の55.0を下回った。前月の56.4に届かず、2016年8月以来で最低となる。米中貿易摩擦や世界景気減速が打撃となり約10年ぶりの水準へ低下した製造業景況指数と同じく、サービス業のセンチメントは前月から楽観度を後退させた。

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(作成:My Big Apple NY)

ISMのアンソニー・ニーブス会長は、結果を受け「8月に改善したものの、9月は下振れした」と振り返った。サービス業の間でも「追加関税措置のほか、労働資源、経済の方向性に関する懸念が強まった」といい、8月に続き「見通しに楽観的」の文言を使用していない。業種別では、18業種中13業種が拡大を報告し、前月の16を下回った。今回、縮小を報告したのは前月に続き卸売のほか教育、その他サービス、不動産、賃貸・リースが入った。その他1業種は、横ばいだったとみられる。回答者の間では「対中追加関税は理解できるが、サプライチェーンをめぐる決定に影響を及ぼし、中国の生産拠点の変更を余儀なくされている」との声が聞かれた。

内訳をみると、ビジネス活動のほか新規受注、在庫変化などが低下し、雇用に至っては2014年2月以来の水準へ落ち込んだ。詳細は、以下の通り。

・ビジネス活動 55.2<前月は61.5、6ヵ月平均は58.1
・新規受注 53.7、2016年8月以来の低水準<前月は60.3、6ヵ月平均は56.8
・雇用 50.4、2014年2月以来の50割れ接近<前月は53.1、6ヵ月平均は54.4
・新規輸出受注 52.0<前月は50.5と7ヵ月ぶりの低水準、6ヵ月平均は54.0
・在庫変化 53.0<前月は55.0、6ヵ月平均は58.6
・仕入れ価格 60.0>前月は58.2、6ヵ月平均は57.5

▽米9月IHSマークイット・サービス業PMI・確報値、2009年9月以来の低水準

米9月IHSマークイット・サービス業PMI確報値は50.9と、市場予想と速報値と一致した。2016年3月以来の低水準となった前月の50.7から若干ながら改善したが、雇用は2010年2月以来の分岐点割れを迎え、米9月雇用統計の影響が懸念される。総合PMI確報値は51.0となり速報値通りだった。結果を受け、クリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは「失望を誘うサービス業のセンチメントと下振れが際立つ製造業活動を踏まえれば、米7~9月期成長率は1.5%増へ鈍化する見通し」とコメント。ただ、前月の1.0%増からは上方修正させている。とはいえ、新たなビジネス機会を表す指数は2009年以来の水準へ低下しており「企業は雇用に慎重とならざるを得ず、米9月雇用統計・非農業部門就労者数は10万人割れとなるだろう」と予想した。

――アトランタ地区連銀は10月3日までの経済指標を受け、米7~9月期実質GDP成長率見通しを従来の2.1%増から1.8%増へ下方修正しました。対中追加関税措置の影響で企業の設備投資が先送りされ、純輸出も成長を押し下げる状況ながら、個人消費の一本足打法に加え住宅投資の改善期待もあって、何とか潜在成長率を維持する見通しです。利下げ効果も重なり、米中通商協議で最悪の事態に至らなければ、足元で懸念が強まる早々の景気後退入りは回避できそうですが、果たしてどうなるでしょうか。

(カバー写真:Mayastar/Flickr)

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