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祝S&P500最高値更新、なぜダウ平均は上げ渋っているの?

by • April 24, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3922

Why Is The Dow Struggling To Post New High?

ナスダックがITバブル絶頂期に達成した5048.62pを超え、終値ベースで最高値を更新した翌日。24日にS&P500も3月2日の2117.39pを突破し、新高値をつけて引けました。奇しくも日経平均が約15年ぶりに2万円台で引けた22日以降、立て続けに記録を塗り替えています。

CNBCは、打ち上げ花火のアートワークを施し喜びをアピール。
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(出所:CNBC)

23日引け後に発表されたIT関連の決算がアナリスト予想平均より力強く、指数をけん引したのは言うまでもありません。24日の終値は、3指数で以下の通り。ナスダックの上昇率の高さは、群を抜いています。

ダウ平均  18080.14  +21.45 +0.12%
S&P500  2117.69 +4.76 +0.23%
ナスダック 5092.08  +36.02 +0.71%

S&P500のセクター動向は、こうなりました。順位は前日比の%に合わせており、右が前年比で▼は下落を表します。

1位 生活必需品 1.34% 20.94%
2位 IT 1.00% 22.47%
3位 公益 0.99% 6.67%
4位 素材 0.83% 4.81%

5位 裁量消費財 ▼0.03% 12.82%
6位 金融 ▼0.26% 9.96%
7位 ヘルスケア ▼0.32% 28.29%
8位 通信 ▼0.33% 2.43%
9位 産業財 ▼0.42% 5.87%
10位 エネルギー ▼0.64% ▼12.74%

足元のトレンドに合わせ原油安に悩まされるエネルギー、キャタピラーユナイテッド・テクノロジーズなどドル高圧力に直面する産業財、伸び悩む個人消費を背景に裁量消費財が弱い。金融は決算が比較的好調だった割に、さえません。ヘルスケアは本日決算を発表したバイオジェン・アイデックが足を引っ張りました。

こうしてみると、なぜダウ平均が出遅れているかが浮かび上がってきます。他の指数と違って時価総額加重平均ベースではなく、株価の単純平均を利用するダウ平均構成銘柄30種は、産業財とエネルギー関連が比較的多い。比重をみても23日時点でゴールドマン・サックスが1位で7.36%、2位はIBMで6.29%、3位はIBMで5.54%、4位にボーイングが5.54%と続き、5位になってようやくアップルが4.79%にランクインする程度です。決算が起爆剤となり24日に10.5%も躍進して引けたマイクロソフトは、1.60%に過ぎません。同じく終値ベースで14.1%へ舞い上がったアマゾンにいたってはダウ平均の構成銘柄として採用されてもいませんから、IT関連がけん引しようとしても他セクターに押し下げられてしまうはずです。

27日のアップルの決算、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文がハト派寄りに傾けば飛躍が期待できますが、それについてはまた、後のお話といたしましょう。

*説明不足な点がありましたので、ダウが株価の単純平均を採用している点を付け加えました。

(カバー写真:Umberto Raimondi/Flickr)

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