Under Armour Wins Big With Jordan Spieth And Stephen Curry.
米男子ゴルフのメジャー第1戦マスターズ・トーナメントに続き、21歳のジョーダン・スピース選手が全米オープンを制しました。
マスターズでも他に例を見ない記録を更新しましたが、今回も目を見張るものがあります。同じ年にマスターズと全米オープンで優勝する快挙を成し遂げのは、スピース選手で6人目。しかも1923年のボビー・ジョーンズ選手以来、最年少でトップの座を奪うという荒技まで成し遂げています。ゴルフ界のゴールデン・ボーイが更新していった数々の記録の詳細は、ゴルフ・ダイジェスト日本語版でご覧下さい。
スポーツ衣料界1位に君臨するナイキを引き摺り下ろすべく、虎視眈々と追うアンダーアーマーにはこれ以上ない朗報だったはずです。スピース選手の姿を見れば一目瞭然なように、スポンサーを務めますから。振り返れば強豪ナイキは2013年、タイガー・ウッズ選手を蹴って若手のロリー・マキロイ選手（現在26歳）と10年間、2億5000万ドルの契約を結んだものです。対してアンダーアーマーは同じ年の1月、弱冠19歳だったスピース選手との残り2年間の契約を破棄。新たに10年間の契約を結ぶという賭けに打って出ました。PGAツアーに含まれるジョンディア・クラシックで初優勝を飾る半年前の出来事といいますから、いかにアンダーアーマーの決断が大胆だったかが伺えます。
ナイキVSアンダーアーマーでは、もうひとつ明暗が分かれました。
舞台はNBA。アンダーアーマーは2014年にオクラホマ・シティ・サンダーのフォワード、ケビン・デュラント選手をめぐりナイキに敗北を喫しました。オクラホマ・サンダーはNBA2013−14年シーズンでカンファレンス決勝で敗退しつつ、デュラント選手はMVPに輝き将来を嘱望されただけに、アンダーアーマーには痛手となったはずです。しかし蓋を開けてみれば、2014−2015年シーズンを制覇したのは華麗な3ポイント・シュートが必殺技のステファン・カリー選手率いるゴールデンステート・ウォリアーズ。しかも40年ぶりの優勝とあって、メディアも大いに沸いたものです。カリー選手自身の甘いベビーフェイスが女性のハートをわしづかみするだけでなく、最近までNBA屈指の3ポイント・シューターと称されたレイ・アレン選手の再来かと思わせる見事なボール捌きでNBAファンを魅了。今最も旬なスター選手にのし上がりました。カリー選手のスポンサーは、もちろんアンダーアーマーです。2017年からNBAの公式スポンサーを務めるナイキに、勝利の女神はアンダーアーマーに一矢報いるチャンスを与えました。
キャリア開始から254試合での3ポイント・ゴールの数、カリー選手がぶっちぎりです。ちなみに一番右のスティーブ・カー選手はウォリアーズの現コーチ。
（出所：Ballislife）
女性向けスポーツ衣料ではランウェイこそ引退したもののモデル界の頂点に立つジゼル・ブンチェンを、NFLではデフレートゲートでツチをつけたとはいえ根強い人気を誇るジゼルの夫、トム・ブレイディ選手を擁します。きら星のごときオールスターを勢揃いさせるだけでなく、ケビン・プランク最高経営責任者（CEO）体制を盤石とさせる秘策まで講じており、アンダーアーマーの快進撃は止まりそうもありません。
（カバー写真：JOHN DAVID MERCER/USA TODAY SPORTS）
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