Is It Easy To Change Your Job In Full Employment Environment?
あなたは、転職したいですか?できると思いますか?
世界景気がレッドホットな今(少なくとも経済指標ベースでは)、仕事探しに関心の強い方が増加中。人材派遣大手ヘイズの調査によれば、積極的に仕事探しを行う人々の割合は米欧で60%近くに達し、アジア各国の間でも38%に及ぶといいます。
経営者にとっては、頭が痛い問題ですよね。1月ベージュブックでも、特殊技能職や新人など、あらゆる職で人材不足が指摘される始末。臨時ボーナスで引き止めるケースすら伝えられています。雇い主がなりふり構わなくなっている昨今、人材確保のため企業が最も気をつけるべきこととは何なのでしょうか?CNBCは、以下の3つだといいます。
1.コミュニケーション不足
→言わずもがな、日本で言う”ほうれんそう”の報告、連絡、相談に必要なスキルです。雇用主と従業員の間でコミュニケーションが上手くいっていない場合、賃金を嫌気して従業員が去ってしまってもおかしくありませんね。
2.柔軟性のなさ
→従業員は企業あるいは上司である自分の鋳型に収まるべき、との考え方は1980年代まで。ギグ・エコノミーの発展により、午前9時から午後5時まで拘束されるなんてまっぴら、と考える従業員も少なくないでしょう。自宅での勤務を承認したり、福利厚生にジム特約を含めたり、従業員に選択肢を与えることで、仕事はさらに効率化するかも?
3.限定的な伸びしろ
→誰だって、将来の可能性が限られていればその職場に長くはいません。時に企業は従業員に投資し、能力を引き出すべき。また、キャリアパスの展望が描きやすい環境を整えるのも重要です。
——いかがでしたか?こんな記事が出回るなんて、企業の人材不足がいかに深刻かを浮き掘りとしていますね。そうは言っても、必要な人材は”特殊技能職から新人まで”幅広いわけではないという事実も、潜んでいます。
求人数と採用数にも、ギャップが存在。
(作成:My Big Apple NY)
筆者のNY出張中、耳を疑うニュースが飛び込んできたものです。例えばウォール・ストリートのアナリスト歴15年近いという女性は、2人目の子供を妊娠して6ヵ月で解雇を申し渡されました。例えほんの数ヵ月だけとはいえ、2度目の産後休暇を問題視した可能性は捨てきれません。女性も逞しいもので、告訴する準備を開始しました。
さらに、アイビーリーグ新卒でプライベート・エクイティ(PE)に入社したばかりの青年は、ボーナスが支給される10ヵ月のベンチマークを手前に戦力外通告を受けてしまったというではありませんか。なぜかは、読者の皆様ならお分かりでしょう。
職の世界でも二極化が進み、中間層にしわ寄せがきているというわけです。IMFが1月公表の世界経済見通しで家計の押し上げ効果を言及しなかったのも、納得ですね。そう言えば、2017年12月FOMC議事要旨では「完全雇用に到達した、あるいは近い」との文言を削除しました。平均時給の伸びが加速しないだけに、言及を避けたのか。1月FOMC議事要旨で再び挟み込まれるか、楽しみです。
(カバー写真:COD Newsroom/Flickr)
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