Import Prices Slide, Michigan Sentiment Shows Decline In Income Expectations.
米1月輸入物価指数は前月比2.8%低下し、市場予想の3.2%低下から下げ幅を縮小しました。とはいえ前月の1.9%より悪化し、7ヵ月連続でマイナスに。2008年12月以来で最大の落ち込みをみせています。原油安と天然ガスの下落を背景に燃料が16.9%沈み、全体を押し下げたのは言うまでもありません。またドル高の余波から、燃料を除いたベースの輸入物価も0.7%低下。市場予想の0.2%、および前月の0.1%の低下から下げ幅を広げていました。輸入物価は前年比では8%低下し、2009年9月以来で最大を記録しています。燃料と食品を除く輸入物価は1.1%低下した。
米2月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値では、インフレ見通しが上向きました。12ヵ月先の物価見通しは2.8%となり、前月の2.5%から加速。ガソリン価格が2009年4月以来の水準へ沈んだ後でも底打ちがみられるためか2014年12月の水準へ戻しています。5年先は2.7%と、3ヵ月ぶり低水準でした。
センチメントは93.6と、市場予想および前月の98.1を下回りました。2004年1月以来の高水準をから鈍化し、2014年12月の水準に並んでいます。現況指数は103.1で1月の109.3から低下。見通し指数も87.5と、前月の91.0から減速していました。
今回ヘッドラインの奥を探ってみると、興味深いことに米1月雇用統計で時間当たり賃金が上昇していたにも関わらず、所得見通しが鈍化していたんです。1−2年先の家計見通し指数は136と、3ヵ月ぶり低水準。「良くなる」も50と2014年11月以来の水準へ鈍化しています。特に所得の伸びが物価上昇を下回るとの見方が強まり、所得増加を見込む声も49.2%と、3ヵ月ぶりの水準へ低下していました。
ダニエル・シルバーの米エコノミストは、結果を受けて「所得見通しが楽観的ではなく支出を抑える可能性を強める」と振り返っています。また、所得の伸びに慎重な見通しであるためか「特別質問項目では消費者が貯蓄を増やす傾向が現れていた」と指摘。米1月小売売上高が失望に終わった背景としてサービスへの支出増加のほか、貯蓄拡大が一因であることを確認しました。
米株はウクライナ停戦合意、ギリシャ支援プログラム妥結を先取りした買い、世界的な金融緩和ラッシュ——などを追い風に最高値を視野に入れてきました。米1月小売売上高など経済指標の鈍化すらも、利上げ警戒後退につながり株高を演出する材料に。米経済指標の鈍化と株高の蜜月関係は、いつまで続くのでしょうか。ひとまず、原油先物が米経済指標に反応してダウントレンドへ引き返すのかどうかを見極めていかねばなりません。
(カバー写真:Caspian Post)
Comments
米1月小売売上高は2ヵ月連続で減少、ガソリン安効果は実現せず Next Post:
アナリストの目標株価でみた、上昇余地が大きい銘柄10選