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米1月小売売上高は2ヵ月連続で減少、ガソリン安効果は実現せず

by • February 12, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2079

Retail Sales Fall Again, No Sign Of Cheap Gasoline Effect.

米1月小売売上高は前月比0.8%減となり、市場予想の0.4%減より下げ幅を広げた。ガソリン価格の下落で購買力が高まるとの期待をよそに、2014年で2番目に大きな落ち込みをみせた前月の0.9%に続き、2ヵ月連続で減少している。

内訳をみると、13カテゴリー中7項目で増加。前月の4項目から改善した。自動車を除いた場合は0.9%減となり、市場予想の0.5%減より格段に弱い。前月の0.9%減(1.0%減から上方修正)に続き、マイナスに沈んだ。

(主なプラス項目)
・雑貨類→2.6%増、前月の0.6%増に続き2ヵ月連続で増加
・外食→0.8%増、前月の1.4%増を含め9ヵ月連続で増加
・建築材→0.6%増、前月の0.7%減から反転し過去6ヵ月で4回目の増加
・オンラインを含む非店舗→0.5%増、前月の0.3%減から反転し過去6ヵ月で4回目の増加
・電気製品→0.3%増、前月の1.9%減から反転し過去6ヵ月で4回目の増加
・健康→0.2%増、前月の0.5%増を含め増加基調を維持
・一般小売→0.1%増、前月の0.9%減から反転し過去6ヵ月で3回目の増加(*百貨店は0.7%減、過去6ヵ月で5回目の減少)

(主なマイナス項目)
・ガソリンスタンド→9.3%減、前月の7.4%減を含め7ヵ月連続で減少
・スポーツ衣料→2.6%減、前月の1.0%減と合わせ3ヵ月連続で減少
・服飾→0.8%減、前月の1.2%減に続き2ヵ月連続で減少
・家具→0.7%減、前月の1.3%増を含め過去6ヵ月で3回目の減少
・自動車→0.5%減、前月の0.8%減を含め2ヵ月連続で減少し過去6ヵ月間で3回目の減少
・食品・飲料→0.3%減、前月の0.6%増を含め6ヵ月ぶりに減少

消費鈍化と賃貸料の引き上げのダブルパンチで、閉店相次ぐ。
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バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「1−3月期の個人消費を従来の3.0%増から2.7%増」へ引き下げた。あわせて、米1−3月期国内総生産(GDP)予想も「従来の2.5%増から2.2%増」へ下方修正している。米10−12月期GDPの改定値は、11−12月のコア小売売上高(ガソリン、建築材、自動車を除く)が上方修正されており「2.0%増」で据え置きつつ、引き続き速報値からの減速を予想した。

そのほかゴールドマン・サックスは2014年10−12月期GDP改定値の予想を1.8%、1−3月期GDP予想を3.1%に下方修正。JPモルガンは1−3月期GDP見通しを従来の3.0%増から2.5%増へ引き下げた。

——以上、米1月小売売上高は12月に続き寒気で消費の手がかじかんだような結果となりました。米1月雇用統計は就労者数と賃金の両面で朗報を運んできましたが、米1月チャレンジャー人員削減予定数で明らかになったようにリストラの余波がいつ及ぶか不透明な状況。ニューヨーク市内では閉店セールのサインが数多くみられ、空き店舗も目立ちます。過去最高の総支出額が期待されるバレンタイン・デーは、消費を盛り上げるキューピッドとなりうるでしょうか。

全米小売業界(NRF)は、2015年の個人消費(自動車、ガソリン・スタンド、レストランを除く)につき前年比4.1%増を予想しています。2014年の3.5%増から加速し、2011年以来で最大となる見通しなんですね。オンラインなど非店舗がけん引する公算で、売上高は7−10%増とされています。ジャック・クラインハンツ主席エコノミストは「賃金や株価上昇のおかげで、経済のたるみは低減した」と指摘。ただ持続的な経済成長トレンドに入ったとは認識しておらず、「世界経済の鈍化のほかエネルギー価格、インフレに注意を払う必要がある」と注意を促していました。

(文中、カバー写真:My Big Apple NY)

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