Longer Term Auto Loan Is The New Normal.
アメリカで消費のドライバーといえば、自動車です。リーマン・ショック後、車が売れなくて低燃費車買い替えプログラム、別名キャッシュ・フォー・クランカーズが売上促進・景気浮揚に一役買っていたことが思い出されます。今となってはガソリン価格の下落もあって、米4月新車販売台数で明らかなように買い替えにはスポーツ多目的車(SUV)やトラックなど大型車が大人気!国産からドイツの輸入車へランクアップするアメリカ人も多く、若い男女がBMWのハンドルを鮮やかに切っている姿を頻繁に見掛けられます。
新車販売台数が大型車や輸入車への需要を追い風に加速する一方、どんどん長期化しているものこそ自動車ローンです。エクスペリアン・オートモーティブによると、1−3月期における新車の平均ローン期間は67ヵ月(約5年6ヵ月)に及びました。中古車の平均ローン期間も、62ヵ月(約5年2ヵ月)。そろって、2006年に統計を開始して以来で最長を記録しています。
ローン期間別での%動向は、以下の通り。
(出所:Experian Automotive)
60ヵ月以上が優勢なように、73〜84ヵ月(約6年〜7年)にわたるローン期間の割合は新車全体で29.5%に達しました。前年同期の24.9%を軽く上回っています。5年前の9%とは、隔世の感すら漂いますね。中古車も16%に至り、前年同期比13%も延びていました。NY連銀が調査した米1−3月期家計調査ではサブプライム層の貸出に沈静化がみられたものの、全体では依然として過熱感が漂います。
気になる新車の平均ローン規模は、2万8711ドル(約350万円)でこちらも過去最高を記録しました。月ごとの支払い額は、前年同期比14ドル増の488ドル也(約6万円)。いかにローン支払い額を抑えるべく、努力しているかが伺えます。
新車全体に占めるリースの割合も31.5%と、過去最高に達しました。月ごとの支払い額は前年同期比7ドル下落の405ドル(約5万円)。新車より、グッとお求めやすくなっています。賃貸住宅を好むように、自動車市場にも消費者志向に変化が現れている兆しかもしれません。賃金が伸び悩む”ニュー・ノーマル”では、尚更でしょう。
(カバー写真:Ryan/Flickr)
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