This Budget Is Eating Out Your Down Payment.
米6月小売売上高は、市場予想を上回る好結果でした。
主にオンライン小売を表わす無店舗のほか、外食がけん引しましたね。前月比で外食は0.9%増、6ヵ月平均でも0.7%増となります。小売売上高に占める外食の比率は12.4%と自動車や無店舗に次いで大きいだけに、決して無視できません。
小売売上高に占める外食、無店舗に続いて伸びが著しい。高齢化社会を迎え、オピオイド問題に揺れながら、ヘルスケアを超えています。
その外食ですが、アメリカ人が最も無駄遣いしていると判断する項目でもあります。保険会社プリンシパルによれば、3人に1人(29%、前回は26%)が後悔している有様です。米労働統計局の調査では、1人当たりの外食支出額は前年比6.7%増の3,365ドル(約36万円)と、2016年の4.9%増から加速していました。
では、外食の回数が増えたのでしょうか?ギャラップが2016年に実施した調査では、1週間に1回以上外食するとの回答は61%でした。2008年の60%と変わらなかった一方で、2003年の66%から低下していたんですね。また、1週間に1回ペースで外食しないとの回答は38%と、2003年の34%から上昇していたものです。
外食の頻度が2003年から減少した背景として、世代交代が考えられます。最も人口比率の高いベビーブーマー世代の年齢が上がるに従って、外食を楽しむ中高齢層のアメリカ人が減少したのではないでしょうか?低金利時代に突入するなかで、外食のインフレ率も上振れすれば、尚更です。
「マイホームが欲しいなら、アボカド・サンドウィッチを諦めればよい」との言葉があるように、ミレニアル世代など若い世代では、外食の頻度がグッと上昇します。1週間に外食なしの回答が55歳以上で50%だった一方、18~34歳は28%にとどまりました。逆に18~34歳で1回以上外食するとの回答は70%と、55歳以上の50%を大きく上回ります。
確かに、毎年の外食支出を貯金にまわせば数年で住宅購入向けの頭金となりますからね。住宅保有率がなかなか上昇しないのは、若い世代での食費の無駄遣いがあったり?そういえば、ジョン・レノンが最期の瞬間まで住んでいたことで有名なダコタ・ハウスに長年いらっしゃる日本人女性が「食事や衣料など消耗品にお金は使わない」と豪語していましたっけ。彼女はたった一人で移住し、巨額の富を築いた投資家ですから、その言葉の重みが身に沁みます。
(カバー写真:Ellensburg Downtown Association/Flickr)
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