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米6月小売売上高、予想外にQ2の個人消費回復を示唆

by • July 16, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off2053

Retail Sales Suggest Rebound Of Consumer Spending In Q2.

米6月小売売上高は前月比0.4%増と、市場予想の0.1%増を上回った。前月が0.4%増と0.5%増から下方修正されたとはいえ、1~3月期の減速から回復を遂げたと言えよう。自動車を除いた場合も0.4%増と、市場予想の0.1%増を超えた。前月と同率の伸び(0.5%増から下方修正)となり、4ヵ月連続で増加している。国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は前月比0.7%増と、市場予想の0.3%増を上回った。前月の0.6%増(0.5%増から上方修正)も超え、こちらも全体と自動車を除いた場合と合わせ4カ月連続で増加した。

小売売上高、政府機関の閉鎖が影響した2月を除き4回増加。

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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、主要13カテゴリー中で11項目がプラスとなり前月の8項目から増加した。特にオンラインを表す無店舗が前月に続き好調だったほか、外食も増加を牽引。米6月新車販売台数が堅調だったように、自動車・部品も寄与している。その他、雑貨や家具、建築・庭園など住宅関連も支えた。一方で、ガソリン価格の下落を受けガソリンスタンドが2ヵ月連続で弱かったほか、足元でスマートフォンの売れ行きが軟調ななかで電気製品も減少した。電気製品、スポーツ用品など最良消費財が支えている。項目別の詳細は、以下の通り。

(プラス項目)
・無店舗(オンライン含む)→1.7%増=前月は1.7%増、6ヵ月平均は2.7%増
・外食→0.9%増<前月は1.0%増、6ヵ月平均は0.7%増
・自動車/部品→0.7%増=前月は0.7%増、6ヵ月平均は0.3%増

・雑貨→0.6%増>前月は0.8%増、6ヵ月平均は0.5%増
・家具→0.5%増>前月は0.1%減、6ヵ月平均は0.5%増
・建築材/園芸→0.5%増>前月は1.5%減、6ヵ月平均は0.1%減

・ヘルスケア→0.5%増>前月は0.1%増、6ヵ月平均は0.3%増
・食品/飲料→0.5%増>前月は0.2%減、6ヵ月平均は0.1%減
・服飾→0.5%増>前月は0.2%減、6ヵ月平均は0.1%減
・一般小売→0.2%増=前月は0.2%増、6ヵ月平均は0.4%増
(*百貨店は1.1%減<前月は0.6%減、6ヵ月平均は0.2%減)

・スポーツ用品/書籍/趣味→横ばい>前月は0.1%減、6ヵ月平均は0.9%増

(マイナス項目)
・電気製品→1.1%減<前月は0.6%減、6ヵ月平均は0.2%減
・ガソリンスタンド→2.8%減<前月は0.8%減、6ヵ月平均は0.6%増

――米6月小売売上高が予想外に好調で、米6月雇用統計の内容と整合的です。追加関税措置が企業に悪影響を及ぼそうとも、インフレが抑制的ななか失業率は約50年ぶりの低水準で、平均時給は11ヵ月連続で3%台に乗せ、個人消費の回復を促しました。注目の外食も0.9%増と力強い伸びを維持。米6月雇用統計では、外食産業(こちらでは食品サービス)が鈍化していましたが、景気鈍化のサインというより人手不足が影を落としたと考えられます。政府機関の閉鎖や税還付の遅延などが仇となり1~3月期は失速したものの、個人消費は不確実性に負けず見事に回復を遂げました。米6月消費者信頼感指数の低下が気掛かりではありますが、仮に個人消費が堅調な推移をたどれば、利下げを支持していないFOMC参加者が黙っていないでしょう。

(カバー写真:Michael Heiland/Flickr)

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