米国に忍び寄るJapanizationの影?マクドナルドの業績にみたり。

by • October 27, 2010 • NY TipsComments (0)1192

英系の為替セールスの方とチャットをしていて、こんなメッセージが飛び込んできました。

McDonald’s saw highest guest counts in 20 years in US.

ご存知の通り、マクドナルドが前週に発表し7-9月期業績は、ファーストフード最大手の底力をみせつけました。売上高は前年同期比4.3%増の63億ドル。市場予想の62.3億ドルを超えましたね。景気減速をカサにとり、1ドルメニューのラインナップをそろえたほか、フルーツたっぷりの健康飲料スムージーを投入したことが大いに米国での売上に貢献しました。スターバックスを意識したプレミア・コーヒー作戦は成功したとは言い難かったですが、スムージーは米国で大人気のジャンバ・ジュースの牙城を覆すヒット商品になったかと思います。安さという誘惑にほだされ、ついつい私もマクドナルドでベリースムージーをオーダーしてましたからね・・・。

↓月見バーガーが食べたい季節ですねぇ・・日本が恋しい!!
My Big Apple

おかげさまで、地域別の伸び率では米国が5.3%と大いに増加。欧州も4.1%をみると、米国のテコ入れ作戦が利いたように見えます。しかしアジア太平洋・中東・アフリカは8.1%とは、エマージング国の成長の勢いを感じますな。

スムージーはもとより、やはり1ドルメニュー、いわるゆDollar Menuが米国で人々の胃袋をわしづかみにしたような気がします。足元ファースト・フード業界は熾烈な価格競争を展開し、サブウェイは約2年前、フットロング-約30cmとジャイアント馬場の足を思わせるサイズのサンドウィッチがすべて5ドルという作戦に打って出ました。サブウェイが火蓋を切って落とした5ドル・ランチメニュー戦争に、ウェンディーズも満を持して参戦。ハーフサイズのプレミアム・サラダにスープやチキンバーガーなどを2つ選べて4.99ドル、日に日に薄くなる財布をもつ庶民には、心強い味方ですね!!!

↓女性に優しい商品かもしれません。男性には腹もちがよくなさそうですけど。

My Big Apple

最強はタコベルでしょう。79-89-99セントメニューまで引っ張り出す始末。1ドル以下のタコス・・・個人的には、どんな食材を使用しているのだろう、と不安になってしまいますが。

毎日TVコマーシャルで外食産業の激安戦争の並みにさらされていますと、あのときの記憶が蘇ります。そう、ユニクロが台頭し、吉野家が不景気を尻目に好業績を弾き出し、紳士服の青山がハンサム・スーツを世に送り出し映画化にまでこぎつけた成功を収めたあのとき・・・。

今の米国は、米連邦公開市場委員会(FOMC)による量的緩和第2弾(QE2)のカウントダウンに入り、しまいにはQE2からPT1--スターウォーズについて語っているようですが、つまりPT1とはPrice Target 1。インフレ・レンジ目標値の話に議題が移っております。そう、まるでかつての日本のようなんです。

↓QE2。クィーン・エリザベス2号に代わって、船出の兆し。
My Big Apple

ノーベル経済学賞の栄誉に輝いたポール・クルーグマン教授がNYタイムズ紙のコラムで「Bernanke-san」だなんてバーナンキFRB議長をあからさまに批判するように、デフレ懸念を抱くアメリカ人の間では「Japanization」への恐怖が頭をもたげております。しかし、一番身近に起こるJapanizationは、すでにファーストフードの価格競争に表れているのかもしれませんね。ユニクロもNYで大成功を収めているようですし・・・。

↓ユニクロの紙袋をもったノン・ジャパニーズ、よく見かけますよ~。

My Big Apple

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